国によってこんなに違う!? 世界5カ国のお正月料理を食べ歩き!
文化や伝統によって表情がガラリと変わる世界各国のお正月料理。日本の正月といえば、皆でおせちを囲むのがスタンダードですが、外国ではどんな風にお正月を過ごしているのか気になりませんか? そこで今回は、アメリカ、スリランカ、スコットランド、ギリシャ、チベットの5カ国のお正月料理や風習をご紹介。その国の文化が色濃く現われるお正月を覗き見していきましょう!
国によって異なるお正月料理を食べてみたい!
2017年12月22日
Produced by ぐるすぐり食マガジン
「明けましておめでとうございます」の挨拶とともに、金粉がたゆたうお屠蘇(とそ)をひと飲みし、おせち料理を家族で囲みながら、お雑煮をすする。そんな風景が日本のお正月のスタンダードですよね。
おせち料理や、お雑煮に使われている素材はひとつひとつに縁起が担がれていて、先人たちが込めた想いと一緒に正月料理を味わう……というのがお正月の醍醐味。
でも、日本以外の国ではどのようにお正月を過ごしているのでしょうか? 1年の中でも、特にお正月にはその国の文化が凝縮されているはず。そこには、一体どんな風景が広がっているのでしょうか……気になる!
そこで今回は、アメリカ、スリランカ、スコットランド、ギリシャ、チベットの5 ヵ国のお正月料理食べ歩きを実施。それぞれの国のお正月料理にはどのようなものがあり、どう過ごしているのかを聞いてきました!
【アメリカ】金運アップ食材の黒目豆がたっぷり入った「ホッピンジョン」
どうも! ライターのいちじく舞です。 世界のお正月を知るべく、まず初めに麻布十番にあるアメリカン料理店「SOUL FOOD HOUSE(ソウルフードハウス)」にやってきました。
こちらがアメリカ南東部ジョージア州ご出身でオーナーの、デビットウィティカさん。店内に流れているご機嫌な洋楽に合わせて全力で鼻歌を歌っていたのが印象的です。
いちじく舞「アメリカのお正月ってどう過ごされるんですか?」
デビットさん「1月1日は教会にお祈りをしに行ったり、家族と過ごすことが多いですね。日本と比べて、アメリカのお正月は短くて1月の2日からは普通に仕事が始まるんです」
いちじく舞「へえー! お正月ムードを切り上げるのが早い!」
デビットさん「だいたいクリスマスから1日までお休みを取っていますね」
そんなアメリカのお正月に食卓に並ぶラインナップがこちら! なんだか一気にテーブルが華やかになりました。どの料理も金運が上昇するといわれている食材が使われているそう。
では、順番に試食していきましょう。
こちらがアメリカ南部のお正月料理として伝わる「ホッピンジョン」。ホッピンジョンは、パプリカや玉ねぎ、ソーセージなどと一緒にアメリカでお金の象徴とされている黒目豆が具材として使われています。
そして横に添えられているのはとうもろこし粉を使用した「コーンブレッド」。聞けば、黄金色のとうもろこしも金運アップ食材として古くから言い伝えられているのだとか。
まずは、ホッピンジョンから口に運んでみると……
美味しい! 口の中で、もちもちのお米、シャキシャキの野菜、ざらっとした舌触りの黒目豆が混ざり合います。噛めば噛むほどピリ辛なソーセージの味が際立っていく……!
そしてこの、コーンブレッド……口に入れた瞬間ほろっと崩れ、とうもろこしの甘みが舌の上に満ちていきます。とうもろこし好きにはたまりません。
小松菜を使ったスープは一口飲めば、優しい味が身体に染み渡ります。
そして、顔の大きさほどある豪快なポークリブ。じっくりと手間ひまかけて焼き上げたポークリブは、甘みのあるスパイシーな特性ソースでいただきます。ボリューミーなお肉は食べ応え満点!
お正月料理というよりかはパーティ料理をたらふく食べた後のような満腹感を得られました。金運をしっかりと体内に貯金できたので、来年は成功を掴みたいと思います!
店舗情報
住所:東京都港区麻布十番 2-8-10 パティオ麻布十番ビル 6F
電話番号:03-5765-2148
【スリランカ】ココナッツミルクの炊き込み御飯って!? 「キリバット」
次に向かったのが高田馬場にあるスリランカ料理のお店「Apsara Restaurant & Bar(アプサラレストランアンドバー)」。スリランカカレーが人気メニューの有名店です。
「スリランカのお正月は1月でなく、4月なんです」と語るのはオーナーのジャナカさん。
さらに、スリランカのお正月の前には「ノナガディ」という風習があるといいます。 このノナガディとは仕事や勉強、入浴、食事などの「恵まれる行為」をしてはいけない期間だそう。 そんなノナガディが明けたあとスリランカにお正月がやってきます。
そしてこちらがスリランカでお正月やお祝い事の日に食べる「キリバット」。日本で言うお赤飯のようなものだそう。この日のために特別に作っていただきました。
キリバットは、お米をココナッツミルクで炊いたスリランカの伝統料理。縁起がいいとされているダイヤモンドを模した盛り付けで登場です。ルヌミリスという唐辛子のペーストと一緒にいただいてみると……
これは…新境地! ココナッツ風味のお粥とでもいいましょうか、なんとも不思議な味わい。唐辛子のルヌミリスがアクセントとなり、全体の味をまとめ上げています。
初めての味に一瞬おどろきますが、食べれば徐々に不思議な味に親しみを感じられるように。通常メニューにはないキリバットですが、予約をすれば注文が可能だそうです。「キリバットの味をこの口で確かめたい!」という人は一度お店にお問い合わせをしてみてくださいね。
店舗情報
Apsara Restaurant & Bar(アプサラレストランアンドバー)
住所:東京都新宿区西早稲田 3-19-1 いせかねビル 1F
電話番号:03-6205-5252
【スコットランド】スコッチウィスキーの親友! 羊肉の「ハギス」
スコットランドの正月の味を求めてやってきたのはこちら、六本木の「シャムロック バイ アボット チョイス」。真っ赤に縁取られた看板やドアがお洒落。
スコットランドのお正月について教えてくれるのは、店長の久保田さん。
久保田さん「スコットランドは羊を大切にする国なんです。そんな羊肉で作られたスコットランドの伝統料理が『ハギス』。お正月にもよく食べられています。年末になると『ハギスパレード』と言う行事で街が活気付くんですよ」
ハギスパレードでは、スコットランドの代表的な詩人ロバート・バーンズの「ハギ スに捧げる詩」を暗唱しながら、ハギスにナイフを入れる儀式を行うのだそう。
そんなスコットランドでは並々ならぬ愛情を注がれているハギス。こちらのお店では日本人が食べやすいように、羊と豚の合挽き肉を使って調理されています。
本場スコットランドでは羊の内臓を羊の胃袋に詰め込んで作られ、大きなソーセージのような形をしているのだとか。
パクッ……うん、美味しい!! 口当たりはハンバーグのようで、ときにコリコリとした粗めのひき肉の食感が楽しい。独特な羊のお肉の旨味と味わいがクセになります。
そしてスコットランドと言えばスコッチウィスキー。ハギスをおつまみにウィスキーを嗜むのがスコットランド流だそう。せっかくなのでスコットランドで良く飲まれているという「TALISKER」をいただいてみると……
ゥグッハア……!
焼ける焼ける、喉が焼ける。往年のロックシンガーみたいな声になる。一瞬にして胸のあたりが熱くなりました。そしてなぜか唇に残るピリピリとした痛み。スコットランドの人はこんなやんちゃなドリンクを常飲しているのか……と絶句しました。
来店した際はハギスのお供にスコッチウィスキーを試して、スコットランドの風を感じてみてください!
店舗情報
住所:東京都新宿区西早稲田 3-19-1 いせかねビル 1F
電話番号:03-6205-5252
続いては、ギリシャとチベットのお正月料理をご紹介します!