日本独自の文化として定着した「義理チョコ」、女性の友人同士でチョコレートを贈り合う「友チョコ」に続き、この数年は、他の誰でもない自分のためにチョコレートを買う「自分チョコ」という言葉がポピュラーになってきています。
どんなチョコレートをプレゼントしようかと悩む女性、チョコレートをもらえるのかと気に病む男性。そんなモヤモヤとしたバレンタインを打ち破る「自分チョコ」。今、バレンタインの習慣が変わりつつあります。
女性も男性も、チョコレートは「自分へのプレゼント」に
自分チョコ購入率は年々高くなっています。今やその購入数は友チョコを抜き、義理チョコに次ぐ割合を占めているとの調査結果も出ています。
しかも、自分チョコを買うのは女性だけではありません。今では男性も自分のためにチョコレートを買うようになっているのです。これは男性から女性にチョコレートを贈る「逆チョコ」現象からの流れでしょうか。やはり売り場を訪れれば男女問わず、自分にもひとつ、という気持ちになるのでしょう。
店頭に並ぶ数々のシーズン限定高級チョコレートやおもしろネタチョコレート。数年前まではハート満載でいかにもバレンタインギフトらしいものや、男性向けのパッケージが目立ったチョコレート売り場ですが、最近では明らかに女性をターゲットにしたと思われる商品が勢いを増しています。宝石のようなチョコレート、花や動物をモチーフにしたチョコレート、ファンシーカラーのパッケージ、どうしてもひとつ買いたくなってしまいます。
一方で、いかにもプレゼントという見栄えのものばかりではなく、シンプルなパッケージに品質の良いチョコレートが少量入っているものも多くなってきました。このような商品なら、男性も自分のために買いやすいのではないでしょうか。
チョコレートにかける予算を見ても、この数年、義理チョコへの出費は減少傾向、本命と自分への出費は増加する傾向にあります。いちばんおいしそうな物は自分用に、という意見も多く見られます。本当に大切なのは虚礼よりも自分と本命。昨今の社会事情が反映されているようにも思えます。
チョコレートメーカーでは、今後の成長市場である「自分チョコ」に注目しており、今後、さまざまなニーズに応える商品展開が期待されています。