お歳暮を贈る時期は、関東と関西で異なりますが、大体12月初旬~12月末までです。お歳暮を贈る際、どんな相手に贈るべきか、商品にかける金額の相場、のしや送り状など絶対に知っておきたいお歳暮関係のマナーについてご説明します。
目次
お歳暮とは?意味や由来
お歳暮とは、「歳暮」すなわち「年(歳)の暮」のことです。年末に一年間お世話になった方に感謝の気持ちを込めて「これからもよろしくお願いします」と贈り物をする習わしです。お歳暮の由来は、年末に先祖の霊への供物を親族や近所の人に配ったことが原型といわれています。
また、夏のお中元を目上の方やお世話になった方にするのは、生きている両親に対してお盆の行事を行うことで「今生きていることを喜ぶ」という意味があります。
このようにお歳暮とお中元はそれぞれ由来は違いますが、今ではどちらも日頃お世話になっている方に贈り物をする習慣です。
お中元との違い
お歳暮は誰に贈るべきという決まりはありませんが、日頃お世話になっている方に贈るのが一般的です。会社の上司や取引先、恩師や、習い事の先生、離れて暮らしている両親や義両親、親戚、結婚式の仲人などに贈られていることが多いですが、お世話になった全員に贈る必要はありません。贈る相手を選ぶポイントは「今後もお付き合いがあるか」「毎年贈り続けられるか」です。
お歳暮は、一度贈った相手には毎年贈るものです。贈り続けるのは手間や金銭的にも負担ですし、一度贈るとやめにくいので、「長く付き合っていきたい」と思う方へ贈りましょう。
また、会社内でお歳暮などを禁止している場合もありますので、事前に確認をしておくことも必要です。
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お歳暮とお中元は、どちらも日頃のお世話になっている方への感謝の意味をもっていますが、違いもありますので解説していきます。
1.季節の違い
お中元もお歳暮も、日頃お世話になっている人へ感謝の気持ちを込めて贈り物をするということは同じです。
地域 | お中元 | お歳暮 |
---|---|---|
関東 | 6月中旬~7月15日まで | 12月初旬~12月31日 |
関西 | 7月下旬~8月15日まで | 12月13日~12月31日 |
お中元は、6月中旬から8月半ばまで、お歳暮は12月はじめから年末までとなっています。関東と関西での時期の違いは、関西ではお盆を旧暦で行う習慣があるからです。しかし、近年は地域差がなくなってきているので関西のお中元時期も早くなっている傾向があります。
2.意味合いの違い
お歳暮は、一年間の感謝の気持ちと「来年もよろしくお願いします」という意味合いがあります。それに対して、お中元は夏の厳しい暑さに対しての暑中お見舞いの気持ちと「半年間お世話になったお礼」という意味合いがあります。
3.贈り物の商品の違い
お中元 | 氷菓子、そうめん、ゼリー、ビールやジュースなど |
お歳暮 | ハム、高級肉、スイーツ、ビールなど |
お中元とお歳暮どちらも食品の贈り物が多いですが、お中元は、夏らしく涼をとれるような食べ物や食欲が落ちる夏場にもおいしく食べることができるものが多いです。
一方お歳暮は、お正月に家族や親戚が集まった時にみんなで食べることができるような、高級感のあるハムやお肉類など人気があります。
4.熨斗(のし)の違い
<お中元>
書き方 | 御中元 | 暑中御見舞 | 残暑御見舞 |
---|---|---|---|
関東 | 6月中旬~7月15日 | 7月16日~8月7日 | 8月8日~9月上旬 |
関西 | 7月16日~8月15日 | ― | 8月16日~9月上旬 |
<お歳暮>
御歳暮 お歳暮 | 寒中御見舞 | 御年賀 |
---|---|---|
12月上旬~12月20日 | 12月21日~年末・1月~2月4日(立春) | 1月1日~1月7日 |
御歳暮と御中元は、熨斗(のし)の表書きが違いますが、水引きはお歳暮もお中元も何度あっても嬉しい事に使う「紅白の蝶結び」です。
お中元の時期を逃した場合の表書きは、関東だとお盆の時期の7月15日以降を「暑中御見舞」、さらに立秋をすぎると「残暑御見舞」を使います。関西は「暑中御見舞」は使わずにお盆の8月15日をすぎると「残暑御見舞」となるので間違えないようにしましょう。
お歳暮は、新年の松の内には「御年賀」、松の内以降には「寒中御見舞」を使います。
お中元を贈ったらお歳暮も贈らないといけないの?
お中元とお歳暮の両方をセットとして贈るのがマナーと思っている方も多いと思いますが、必ずしも2つセットで贈らなくても失礼にはなりません。
片方だけにする場合は「お歳暮」を贈りましょう。「お歳暮」は一年間の感謝を込めて贈る意味合いがありますので、両方贈っていて負担を感じる場合は「お中元」をやめて「お歳暮」だけにしてもいいでしょう。
贈る人との関係性
前述しましたとおり、お歳暮もお中元も相手との関係性で贈るかどうかを決めましょう。お中元は「半年間お世話になったご挨拶」、お歳暮は「一年間お世話になったご挨拶」といった意味のある贈り物です。
取引先などへ贈る場合は、契約期間や業務上の付き合いを考慮してみてもよいかもしれませんね。
ずっと続く関係の、日頃お世話になっている上司やいつも気にかけてもらっている両親、親戚には「一年の感謝」と「来年への挨拶」として「お歳暮」を継続的に贈るようにしましょう。
基本的には毎年継続的に贈るようにする
お歳暮やお中元は、継続的に贈るものですので一度だけ贈ることは失礼です。贈ると決めたら、基本的には毎年贈りましょう。思いついたように贈ったり贈らなかったりすることがないように年中行事の1つに組み込んでおくと忘れませんね。
もし、お世話になった方に一度だけお礼の気持をあらわしたいと思った場合は「お礼」もしくは「無地のし」で贈り物をしましょう。そうすれば継続的に贈らなくても失礼ではなく、相手にもお返しの心配などの気を使わせずに感謝の気持ちを伝えることができます。
大切なのは気持ち
お歳暮の本来の意味は「感謝と挨拶」です。お歳暮を贈る際には、相手が何をもらったら喜ぶのかを考えて贈るようにしましょう。お酒を飲まない方にビールを贈ったり、ご病気の方に食べられないものを贈ったりすることのないように、相手の好みのものを事前にリサーチしてから贈りましょう。たとえ高価なものではなくても、お歳暮を贈るときにお世話になった感謝気持ちを込めて贈れば、相手にもその気持は伝わってずっと良い関係が築かれていくことでしょう。
お歳暮におすすめの人気ギフト3選
お歳暮は必ず贈らなければならないものではありませんが、マナーや風習に気をつけて一年の感謝の気持ちを表すために、贈ってみてはいかがでしょうか。贈る相手との良好な関係にもつながっていくことでしょう。