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おせち料理の種類とそれぞれの意味。定番の中身はなに?

公開日時:2018/08/22 00:00  更新日時:2024/09/17 08:40

いよいよ年末。おせち料理は何種類作ればいい?定番の具材は?など、これからおせちを作ろうと思っている方に中身(メニュー)とおせちに入っている意味も併せて紹介します。

いよいよ年末。おせち料理は何種類作ればいい?定番の具材は?など、これからおせちを作ろうと思っている方に中身(メニュー)とおせちに入っている意味も併せて紹介します。

おせち料理は何種類作る?

おせち料理を構成する具材の種類は地域によっても異なりますが、全体でおよそ20~30種類が一般的です。しかし、これだけ多くの具材を一から作るのはなかなか大変です。そのため最近では、一部手作りで残りは購入するという家庭も増えています。

おせち料理の具材には、それぞれ縁起の良い意味や願いが込められています。それらを知った上で、「これは自分でも作れそう」と思うものからチャレンジしてみても良いでしょう。

入っている中身とそれぞれの意味(いわれ)

種類 由来(いわれ)
れんこん ・極楽浄土の池には蓮の花が咲くことから、穢れのないことを表す。
・穴が多く空いていることから、見通しの良い1年を祈る。
伊達巻 ・伊達者から、洒落た・見栄えの良い・派手なという意味を持つ。
・巻物に似ていることから、学問成就や文化の繁栄を願う。
錦卵 ・卵の黄身と白身が金銀の「二色」に見えることから「錦」と語呂合わせしている。
栗きんとん ・「きんとん」を漢字にすると「金団」になることから、金銀財宝を連想させる。
ごまめ・田作り ・イワシを刻んだものを田んぼ肥料にしていたことから、豊作を願う。
里芋 ・種芋を植えると子芋が多くつくことから、子宝を願う。
・「めでたい」にかけている。
筑前煮(煮しめ) ・様々な具材を一緒に煮ていることから、家族一緒に仲良く結ばれることを願う。※具材は縁起物が選ばれることが多い。
ごぼう ・土中にしっかり根を張ることから、家族の土台がしっかりすることや家業が土地に根付くことを願う。
ぶり ・出世魚であることから、立身出世を願う。
えび ・姿が丸く曲がっていることから、腰が曲がるまで長生きできるよう願う。
・身が赤く美しいことから、縁起物や魔除けの意味を持つ。
紅白かまぼこ ・形が日の出に似ていることから、新年に相応しいとされる。
・紅白の紅は魔除けや喜び、白は神聖さを表す。
金柑(きんかん) ・金柑に「金冠」の字が当てられることから、金銀財宝を連想させる。
黒豆 ・まめに健康・丈夫に過ごせるように願う。
・敢えてシワが出るように煮て、シワができるほどの長寿を願う。
くわい ・大きな芽が出ていることから、立身出世を願う。
手綱こんにゃく ・手綱を締めるように心を引き締め、戦いに備える。
・結び目があることから、良縁や家庭円満を願う。
昆布巻き ・「喜ぶ」と語呂合わせしている。
・昆布に「子生」の字を当てられることから、子宝を願う。
数の子 ・数多くの卵が付いていることから、子孫繫栄や子宝を願う。
かぶ(菊花かぶ) ・菊は国花であり、祝い事に欠かせない花であることから、繁栄や健康を願う。邪気払いや長寿を願う意味もある。
紅白なます ・配色が祝袋の水引に見えることから、おめでたいことを連想させる。
・大根とニンジンは土中に根を張ることから、家族の土台を築くことを願う。
お多福豆 ・たくさんの福を呼ぶことを願う。

おせち料理に使われる具材には、このように縁起の良い意味や願いが込められています。 意味や願いを知ると、より一層、おせち料理に興味がわいてくることでしょう。「おせち料理の由来と意味は?」で、さらに詳しく紹介しています。

お重への詰め方と入れる順番

お重に様々な具材が美しく詰められたおせち料理は、華やかでおめでたい印象を受けます。手作りすることを考えているなら、詰めるところまでこだわりたいものです。

お重の段数は、本来、五段を主流としていました。しかし現代では、四段・三段と簡素化され、一段おせちというのも登場しています。

昔から受け継がれる基本の五段重の詰め方を中心に、どのお重にどの具材を入れるのか、何をどう入れたら美しい見栄えに仕上がるのか、段ごとに解説します。

祝い肴は田作り・数の子・黒豆の三種類

祝い肴とは、祝い膳の前に出す酒の肴のことで、お重はなくても祝い肴さえあればお正月を迎えられると言われるほどお正月料理の中では重要だとされています。 ちなみに、祝い肴は「田作り」「数の子」「黒豆」の三種類が基本ですが、関西地方では黒豆の代わりにたたきごぼうが選ばれる場合もあります。

初の重の中身

重箱の一番上で、まず開けたときに目に入る初の重には、お正月らしい口取りや祝い肴を詰めます。その他のスペースには、紅白かまぼこや伊達巻、栗きんとん、昆布巻き、錦卵などの縁起物を詰めていきます。
おせち料理では、初の重に入る具材の種類がもっとも多くなります。できるだけいろんな種類の具材を隙間ができないように少しずつ詰めていくのがポイントです。

二の重の中身

二の重は焼き物が中心のお重です。
縁起が良いとされる、ぶりや鯛、海老などの海の幸を焼いたものを詰めていきます。食事のメインとなる料理を詰めるお重なので、いろんな種類の具材を入れるよりも、一つ一つの具材の量を多くした方が、食べ応えがあるでしょう。焼いた肉類やフライ物を入れる場合も、二の重を使います。

三の重の中身

三の重は煮物が中心で、二の重の海の幸とは対照的に、れんこんや里芋、くわいやごぼうなどを一緒に煮た筑前煮など、山の幸を詰めます。
他の重のように複数種類の具材を入れるのではなく、煮物のみをたっぷり入れるのが基本です。色合いを良くしたいときは、葉物を敷いたり散らしたりするのがおすすめです。

四(与)の重の中身

四の重は、日持ちのする酢の物や箸休めになるような料理を詰めます。紅白なますや菊花かぶなどを入れましょう。スペースが余ったら、三の重に入りきれなかった煮物を入れても良いです。

五の重の中身

五の重は、あえて空の状態にしておきます。昔から五の重は、年神様から授かる福を詰める場所とされており、できるだけたくさんの福が入るように、何も入れないようにするのが慣習です。
ただ、地域によっては、他の重に入りきらなかった料理や家庭ならではの料理、家族が好きな食べ物を入れるために使うこともあります。

三段重や四段重を使う場合

三段重を使う場合は、焼き物が入る二の重にスペースを作り、そこに酢の物も一緒に入れます。四段重を使う場合は、空となる五の重を省くだけで良いです。段数が変わっても、初の重と三の重に入る具材は変わりません。

お重の詰め方には地域によって違いがあるため、基本の方法を踏まえた上で、家族や近所の人に聞いてみると良いでしょう。

おせちを食べる理由

お正月は本来、神様を迎えるための祝賀行事で、その際に神様をおもてなしするのがおせち料理です。それであれば、私たちがおせち料理を食べるのは失礼にあたるのではないか、と思うかもしれませんが、日本では古来より神様と一緒に食事をするという考えがあるため、私たちも一緒におめでたいおせち料理を食べます。

ただ、おせち料理を食べる理由には様々あり、神様を迎える時期に炊事などで騒がしくしてはいけない、お正月ぐらい女性に休んでほしい、という意味から、あらかじめ準備した日持ちのする食事(おせち料理)を食べることが習慣になったとも言われています。

さいごに

日本の伝統であるおせち料理は、具材の種類や意味、各お重に詰めるべき具材など、様々なことが受け継がれています。しかし、一番大切なのは、家族全員が楽しく美味しくおせち料理を食べられることです。昔からの基本やルールを意識しつつ、家族で楽しむことができるおせち料理作りをしてみましょう。

また、最近は通販やデパートで、洋風や中華風のもの、スイーツのみが入ったもの、高級料亭・ホテルがプロデュースしているものなど、バラエティに富んだおせちがあります。今年は嗜好を変えてみたいという方は、家族で好きなものを選んでみるのもおすすめです。

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