おせち料理を手作りするのは大変と思われがちですが、初心者でも比較的簡単にできるレシピがあります。初心者向け簡単レシピやおせちを華やかに見せる方法、料理ごとの予算などを知って、さっそく試してみましょう。
目次
おせち料理の区分は5種類
おせち料理を手作りするとなると、気になるのが具材の予算です。いつもはなかなか使わない具材を買ったりすることもあるため、普段の料理よりも費用がかかることもあります。
				予め、どのくらいの予算が必要か知っておきたい方のために、代表的なおせち料理の金額の目安をご紹介します。
| 料理 | 材料費の目安 | 
|---|---|
| 黒豆 | 500~1,500円 | 
| 数の子 | 2,000~5,000円 | 
| 栗きんとん | 500~2,000円 | 
| 伊達巻 | 100~500円 | 
| 煮しめ | 1,500~3,000円 | 
| 海老のうま煮 | 1,000~4,000円 | 
伊達巻や黒豆のように安い具材でも作れるものは比較的予算を抑えることができるので、たくさん食べる家庭は手作りした方が良さそうです。
				ごぼうや人参、れんこんなどの野菜は、たたきごぼう・紅白なます・煮しめなどの様々な料理に利用できるので、何本かまとめ買いしておくと節約にもなります。また、年末になると、おせち料理に使う具材の値段が高くなることもあるので、保存がきくものは少し前から買いだめしておくのも節約につながるポイントです。
購入した方が安く済むおせち料理は?
「こんなに費用がかかるなら作れない…」と思った方も、全部手作りする必要はありません。手作りのものを数品用意して、あとはスーパーや通販などのおせち料理を活用すれば豪華なお正月料理が出来上がります。
				購入した方が安く済むおせち料理は、数の子、ローストビーフ、伊勢海老などです。家族分のみ作るとなると具材の値段が割高になってしまうので、少量なら購入した方がいいでしょう。また、具材のブランドや産地にこだわって作ろうとすると高くなってしまうので、高級料亭や有名ホテルなどのおせち料理を上手く使うと良いでしょう。
				煮しめは少人数だと食べきれないことが多いので、食べる人数によっては購入した方が節約できます。
				すべて作るとなると予算も時間もかかってしまうので、購入できるおせち料理も活用しながら献立を考えてみてください。
おせち料理の簡単レシピ~初級・基本編~
初級・基本編では、おせち初心者の方でも手軽に作れるレシピをピックアップしました。短時間でサッと作れるものばかりなので、お正月だけでなく日々の献立やお弁当にも活用してみてください。
栗きんとん(4人分)

- 栗甘露煮…450g(栗12~16粒)
 - さつまいも…1本(700g程度)
 - 塩…ひとつまみ
 
作り方
- さつまいもの皮を厚めにむき、3㎝程度の輪切りにし、たっぷりのお湯で柔らかかくなるまで茹でます。
 - 1が柔らかくなったらお湯を切って耐熱皿に入れ、ヘラでしっかり潰します。冷める前にザルなどを使って裏ごししておくと滑らかになります。
 - 2に甘露煮の汁と塩を入れてよく混ぜ、レンジで1分加熱します。ツヤが出るまで混ぜてから栗を入れ、ざっくりと混ぜれば完成です。
 
田作り

- 田作り(ごまめ)…一袋(60~70g)
 - 砂糖…大さじ4
 - みりん…大さじ3
 - しょうゆ…大さじ3
 - 酒…大さじ1
 
作り方
- フライパンに田作りを入れ、弱火で10~15分炒ります。水分が抜けてカラッとしたら火を止めてバットに移して冷ましておきましょう。
 - フライパンにすべての調味料を入れて一度沸騰させたら、弱火にしてとろみがつくまで煮詰めます。
 - 2に1を加えて手早く混ぜます。1本1本にしっかり絡めたら火を止め、クッキングシートの上にくっつかないように広げます。タレがしっかり固まったら完成です。
 
お好みで一味唐辛子を加えても美味しいです。保存がきくので多めに作っておけば常備菜にもできます。
たたきごぼう(4人分)

- ごぼう…1本
 - いりごま…大さじ4
 - しょうゆ…大さじ2
 - みりん…大さじ1と1/2
 - お酢…大さじ1
 
作り方
- ごぼうは洗って土を落とします。土がある程度落ちたら、包丁の背の部分で表面をこそげ取ります。
 - 1を鍋に入る長さに切り、太い部分は縦に2~4等分します。包丁の背などで軽くたたいておくと柔らかくなります。
 - 鍋にたっぷりお湯を沸かし、沸騰したら塩とお酢(分量外)を小さじ1程度入れて、切ったごぼうを入れます。
 - 調味料はボウルにすべて入れて混ぜ合わせておきましょう。
 - 3のごぼうが柔らかくなったら、ザルに上げて横5cm幅に揃えて切ります。熱いうちに4に加えて、しっかり混ぜ合わせたら完成です。
 
紅白なます

- 大根…250g
 - 人参…50g
 - 砂糖…大さじ1と1/2
 - お酢…大さじ3と1/2
 - 塩…少々
 
作り方
- 大根と人参を5cm幅に切り、皮をむいて千切りにします。
 - ボウルに2を入れ、塩を振って混ぜ合わせたら10分置いておきます。水気をぎゅっと手で絞り、しっかりと揉みこみます。
 - 別のボウルに砂糖とお酢を入れてよく混ぜ、2を加えてしっかりと混ぜ合わせます。そのまま冷蔵庫で数時間、味を染み込ませれば完成です。お好みでゆずや白ごまを飾ってみましょう。
 
酢れんこん(3~4人分)

- れんこん…200~300g
 - 昆布…5cm
 - みりん…大さじ3
 - 砂糖…大さじ3
 - お酢…90ml
 - 水…120ml
 - 輪切り唐辛子…適量
 
作り方
- れんこんは皮をむいて5mm幅に輪切りにし、花の形に飾り切りします。ボウルに水とお酢少々(分量外)を入れてさらしておきます。
 - 唐辛子以外の調味料を鍋に入れ、ひと煮立ちさせたら冷まします。しっかりと冷めたら、保存容器に移しておきましょう。
 - 鍋にお湯を沸かし、塩を大さじ1程度いれて、1のれんこんを加えます。2~3分茹でたらすぐにザルに上げ、熱いうちに2に漬け込みます。
 - 粗熱が取れたら冷蔵庫で保存し、数時間漬け込んだら完成です。
 
ぶりの照り焼き(2人分)

- ぶりの切り身…2切れ
 - 砂糖…大さじ1
 - みりん…大さじ2
 - しょうゆ…大さじ2
 - お酒…大さじ2
 
作り方
- ぶりに塩を振り、30分置きます。調味料はすべて混ぜ合わせておきます。
 - ぶりから出た水気や油をキッチンペーパーで拭き取り、小麦粉を軽くまぶします。
 - フライパンで油を十分に熱したら、中火にしてぶりを入れます。両面こんがりと焼けたら、一度ぶりをバットに移しておきます。
 - フライパンの油分をキチンペーパーなどで拭き取り、1の合わせ調味料を入れて沸騰したら、3のぶりを入れます。
 - 4調味料を絡ませながら照りが出るまで煮詰めれば完成です。焦げやすいので一気に絡めて火を止めましょう。
 
煮しめ(4人分)

- 里芋…小8個
 - ごぼう…1/2本
 - たけのこ…1/2個
 - こんにゃく…1/2枚
 - れんこん…1節
 - 人参…1/2本
 - 干し椎茸…4枚
 - きぬさや…12枚
 - めんつゆ(4倍濃縮)…大さじ5
 - 和風だしの素…小さじ1
 - 水…400ml
 
作り方
- 里芋は皮を厚めにむき、六角に切ります。たけのこは一口大に切り、白いアクを水で洗い流します。
 - ごぼうは土を落として皮をこそげ取り、乱切りにします。れんこんは輪切りにして花形に飾り切りします。それぞれ水につけておきます。
 - こんにゃくは5mmの厚さに切り、手綱こんにゃくにします。干し椎茸はぬるま湯で戻し、六角に切ります。戻し汁は使うので取っておきましょう。人参は皮をむいて輪切りにし、梅の花の形に飾り切りします。
 - 里芋・たけのこ・こんにゃくを鍋に入れて下茹でし、一度ザルに上げます。
 - 鍋に調味料と水、干し椎茸の戻し汁、下準備した具材を入れて、ひと煮立ちしたら蓋をして弱火で20~30分じっくり煮込みます。
 - 煮込んでいる間に、きぬさやの筋を取り、下茹でしておきます。
 - 具材に火が通ったら鍋のまま冷まし、器に彩りよく盛って6を飾ったら完成です。
 
さわらの西京焼き(4人分)

- さわら…4切れ
 - 白味噌(なければ普通の味噌でもOK)…200g
 - みりん…大さじ1(普通の味噌なら大さじ2)
 - お酒…大さじ1
 - 砂糖…小さじ2(普通の味噌なら大さじ1弱)
 
作り方
- 調味料をジッパー付きの保存袋に入れてよく混ぜます。
 - さわらに塩を振って30分置き、水気と油をキッチンペーパーでしっかりとふき取ります。
 - 2を1の中に入れ、さわらに味噌が絡むように軽く揉みこんで、空気をしっかり抜いて30分以上漬けこみます。
 - 3からさわらを取り出し、味噌を拭き取ります。フライパンにクッキングペーパーを敷き、皮を下にして並べます。
 - 弱火で5~7分ほど焼いたら、ひっくり返して反対側も焼きます。皮の方に味噌を塗り、蓋をして5~7分ほど蒸し焼きます。
 - 身まで火が通り、焦げ目がきれいについたら完成です。
 
おせち料理の簡単レシピ~中級編~
次は、おせち料理の中級編レシピです。
				初級編よりも難易度は高くなりますが、ご紹介する作り方のコツやキッチンの便利グッズを使えば、比較的簡単に作ることができます。おせち初挑戦の方もぜひチャレンジしてみてください。
伊達巻き

- 卵…5個
 - はんぺん…1枚(100gくらい)
 - 砂糖…大さじ2
 - 塩…少々
 
作り方
- はんぺんを手でちぎり、ミキサーかフードプロセッサーに入れて滑らかになるまで混ぜます。ミキサーなどがなければすり鉢ですりましょう。
 - 1に卵とすべての材料を入れて混ぜ合わせ、ザルでこします。
 - フライパン(丸型でも四角型でもOK)に油を入れてしっかりと熱したら、油を軽くふき取って2を一気に流し込みます。
 - フライパンを左右にゆすり、柄の部分をトントンと叩いて空気を抜きます。蓋をして弱火で15分蒸し焼きにします。
 - フライ返しなどで焼き目を見ながら、全体が固まるまで弱火で加熱していきます。竹串を刺しても生地が付かなくなったら、焼き目の付いた方を下にしたまま、巻きすの上に滑べらせます。
 - 熱いうちにゆるく巻いて形を作り、形が決まったらしっかりと巻いて輪ゴムで数か所止めたまま冷まします。
 - 冷めたら1~2cm幅に切れば完成です。
 
黒豆

- 黒豆…300g
 - 砂糖…250g
 - 水…8カップ(1,600ml)
 - しょうゆ…大さじ1
 - 塩…小さじ1/2
 - 重曹…小さじ1/2
 
作り方
- 黒豆はたっぷりの水で洗い、ザルにあけておきます。
 - 大きめの鍋に水と砂糖、しょうゆ、塩を入れ、煮立たせます。煮立ったら火を止め、熱いうちに1の黒豆と重曹を入れ、軽く混ぜて最低でも3時間は置きます。時間のあるときは1日置いておくとふっくらと仕上がります。
 - 2を中火にかけ、アクが出てきたら丁寧に取りましょう。アクが出なくなったら落とし蓋と蓋をして、弱火で5~8時間ほど煮ます。
 - 黒豆が手で簡単につぶせるようになったら火を止めて、鍋のまま一晩おいておけば完成です。
 
昆布巻き(10本分)

- 昆布…50cm
 - かんぴょう…10本
 - 昆布の戻し汁…120ml
 - 水…適量
 - しょうゆ…大さじ2と1/2
 - みりん…大さじ1と1/2
 - 砂糖…小さじ1
 - お酒…大さじ2
 
作り方
- 昆布は布巾で表面の汚れを取り、水につけて戻しておきます。かんぴょうは水につけて置き、弾力が戻ったら塩もみして水で洗い流し、水気をぎゅっと絞っておきます。
 - 昆布を5cm幅に切り、ひとつずつクルクル巻いて、かんぴょうで固く結びます。かんぴょうの長さが余ったらキッチンばさみでカットします。
 - 鍋に調味料と昆布の戻し汁を入れ、2をすべて入れます。煮汁が足りないときには、昆布巻きが隠れるくらいまで水を足します。
 - 煮立つまで強火にかけ、アクを取ったら、弱火にして煮汁が少なくなるまで煮ます。
 - 煮汁の味を見て、足りない場合は砂糖やしょうゆを加え、5~6分煮たら完成です。基本の昆布巻きの作り方に慣れたら、身欠きにしんや焼き鮭などを巻いたものも作ってみましょう。
 
えびのうま煮(4人分)

- 有頭えび(車海老、ブラックタイガーなど)…8尾
 - しょうゆ…大さじ2
 - みりん…大さじ2
 - お酒…100ml
 - だし汁…1カップ
 
下処理
- えびはヒゲを短く切り、頭と尾の先のとがっている部分をキッチンばさみで切り揃えておきます。
 - 背ワタは、身を曲げて、殻の間から竹串を刺して引き抜きます。
 
作り方
- 下処理したえびをさっと水洗いして、キッチンペーパーで水気を押さえます。
 - 鍋に調味料をすべて入れて、ひと煮立ちさせて弱火にします。
 - 2に1のえびを「つ」の字になるように箸で押さえながら入れていきます。頭が同じ方向になるように入れていくとスムーズです。
 - 身が固くならないように弱中火にして3~5分ほど煮込みます。
 - 火が通ったら耐熱容器かバットに並べて冷まします。残った煮汁は鍋のまま冷ましておきましょう。
 - 粗熱が取れたら、密閉できる容器にえびと煮汁を入れ、冷蔵庫で1時間以上冷やせば完成です。
 
おせち料理の簡単レシピ~上級・応用編~
最後は、おせち料理のメインとしてもおすすめの上級・応用編レシピです。
				難しいと思われがちな料理も、炊飯器や余熱を利用することで短い時間でも味を凝縮することができます。今年は特別なおせち料理を作りたいという人にもピッタリの簡単レシピをご紹介します。
ローストビーフ(4人分)

- 牛モモ肉の塊…400g
 - 塩こしょう…適量
 - オリーブオイル…大さじ1
 - 【ソース】
 - 赤ワイン…1/2カップ
 - しょうゆ…大さじ1
 - 砂糖…小さじ1
 - お酢…小さじ1
 - 牛モモ肉の煮汁
 
作り方
- 牛モモ肉は、調理の2時間前から常温に出しておきましょう。筋などがある場合は、フォークで刺して切っておきます。焼く直前に塩コショウを全体に振って手でなじませます。
 - フライパンにオリーブオイルを入れてしっかりと熱したら、1を焼きます。片面を1分ずつ焼いて、焼き色が付いたらバットに上げておきます。
 - 粗熱が取れたら、ラップで二重に巻き、さらにジッパー付きの袋に入れ、空気をしっかり抜きます。
 - 炊飯器に3を入れ、すべて浸るくらいお湯を入れ、そのまま30分保温します。
 - 4を取り出し、氷水などで冷やしたら、食べる直前まで冷蔵庫に置いておきます。
 - 小鍋に、ソースの調味料と5から出た煮汁を入れ、ひと煮立ちさせて冷まします。5を薄切りにしてソースをかければ出来上がりです。ソースはお好みでハーブを入れたり、和風にしたりするとより楽しめます。
 
鴨ロース(4人前)

- 鴨ロース肉…300g
 - 塩こしょう…適量
 - 水…1カップ
 - 酒…1/2カップ
 - しょうゆ…大さじ4
 - みりん…大さじ3
 - 砂糖…大さじ1
 
作り方
- 鴨は脂のある面全体に、格子状に切れ目を入れます。塩こしょうをふり、キッチンペーパーに包んで30分以上置いておきましょう。
 - フライパンは油を引かずに熱し、1の脂のある面を先に焼いていきます。中火で3分焼いたら、裏返してもう片方も1分焼きます。出た脂はキッチンペーパーで拭き取ります。
 - 2をお湯にくぐらせて、余分な脂を取ります。
 - 鍋に調味料をすべて入れ、強火で煮立たせます。中火にして3を入れ、5分ほど煮込んだら火を止めます。
 - キッチンペーパーで落とし蓋をし、さらに鍋の蓋をして、そのまま置いておきます。冷めたらタレごと保存容器に移して冷蔵庫で保存し、食べるときに薄切りにすれば完成です。
 
飾り切りの方法
おせち料理を華やかに飾るなら、野菜や紅白かまぼこなどの飾り切りがおすすめです。
				彩りが少ない煮しめは、具材の人参やれんこん、こんにゃく、干し椎茸などにひと手間加えて飾り切りすることで、ぐっとお正月らしくすることができます。
				紅白かまぼこも飾り切りにすることで、主役のような見栄えになります。
包丁は苦手という方でも、キッチンばさみやネギカッター、千切りピーラーなどを使えば簡単にできる飾り切りもあります。詳しい作り方はこちらの記事をご覧ください。おせちをワンランクアップさせる飾り切りのコツをご紹介しています。
おせちが映える詰め方は?

おせち料理と言えば、重箱に詰めるのが伝統的ですよね。でも、いざ詰めるとなると、見栄えよくきれいに…というのは難しいものです。実は、詰め方には伝統的なルールや基本の仕切り方があり、それに則って詰めていくと誰にでも簡単に詰めることができます。
				また、最近ではお気に入りのお皿やお盆に盛り付ける“ワンプレートおせち”も流行っており、盛り付け方の工夫次第で、手軽におしゃれなおせち料理が楽しめます。
				詳しい重箱の詰め方や伝統的なルール、ワンプレートおせちのおしゃれな盛り付け方はこちらの記事を参考にしてみてください。
さいごに
レストラン検索でおなじみのぐるなびが運営!
食品特化ECサイトぐるすぐりの「おせち特集2026」では全国の人気店や有名料亭が手掛ける豪華なおせちを多数ご紹介しています。
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