【画像付き】おせちの重箱(お重)への上手な詰め方とコツ
重箱におせち料理を詰める時のルールはあるの?おしゃれに詰めるコツは?仕切りの形状ごとに、きれいな詰め方、盛り付け方を画像付きでわかりやすく解説します。
重箱におせち料理を詰める時のルールはあるの?おしゃれに詰めるコツは?仕切りの形状ごとに、きれいな詰め方、盛り付け方を画像付きでわかりやすく解説します。
一般的な三段重で解説。各段に入れるおせち料理のルールは?
お正月に食べるおせち料理は、家庭によって様々ですが、一般的に重箱に詰めて振る舞われます。料理や食材の一つひとつに意味があるように、重箱にも「おめでたいことが積み重なりますように」という願いが込められているのです。
おせち料理をお重に詰めるようになったのは江戸時代からで、本来は四段重が正式なものとされていました。現在では、核家族化や少子化の影響もあり、三段重を使うのが主流となっています。
地域による違いはあるものの、各段に詰める基本の料理は下の表のように決まっています。
段数 | 名称 | 詰める基本の料理 |
---|---|---|
一段目 | 壱の重 | 祝い肴、口取り |
二段目 | 弐の重 | 酢の物、焼き物 |
三段目 | 参の重 | 煮しめ(煮物) |
壱の重は祝い肴三種と口取り
一段目の「壱の重」は、お屠蘇(とそ)を楽しむための「祝い肴三種」と、前菜となる「口取り」を詰めます。
祝い肴三種とは、“これと雑煮さえあればお正月を迎えられる”と言われるほど欠かせないおせち料理で、関東では「黒豆・田作り・数の子」、関西では「黒豆もしくは田作り・数の子・たたきごぼう」が一般的な祝い肴とされています。
口取りは酒の肴や甘いものを中心に、紅白かまぼこ、伊達巻、昆布巻き、栗きんとん、お多福豆などを詰めるのが主流です。
弐の重は酢の物と焼き物
二段目の「弐の重」には、酢の物やメインとなる焼き物を詰めます。
酢の物には、紅白なます、菊花かぶ、酢れんこん、酢だこなどがあります。メインの焼き物には鯛やえび・カニ・ブリなどの海の幸を使い、他にもえびのうま煮、アナゴやホタテの甘露煮などを詰めます。
参の重は山の幸を詰め込んだ煮物
三段目の「参の重」には、山の幸がたっぷり入った煮しめや筑前煮などの煮物を詰めます。
煮物には、縁起物や新年にふさわしい由来のある食材を使い、ごぼうやこんにゃく、れんこん、里芋、くわい、人参などを彩りよく敷き詰めます。
重箱の仕切り別・きれいにおしゃれに詰めるコツ
重箱の各段に詰める料理は分かっていても、いざ詰めるとなると、彩りよくきれいに詰めるのはなかなかスムーズにいきません。そこで覚えておきたいのが、昔ながらの伝統的なルールや基本的な詰め方です。基本さえ押さえておけば、たくさんの料理をキレイに詰めることもそれほど難しくないでしょう。
まず、伝統的なルールとして、一段に詰める料理の品数は必ず3、5、7、9などの「奇数」にします。偶数は割り切れる数のため「別れる」を連想させ、お正月のお祝いにはふさわしくないと考えられているからです。
また、紅白かまぼこなど、紅白に分かれた料理を詰めるときには、右を華やかにするという意味の「右紅左白」にならって、右側に紅色のかまぼこを置きましょう。
他にも、以下のポイントに注意すると、初心者でも詰めやすくなるので、参考にしてみてください。
重箱に詰める際のポイント
・形がしっかりしたものから先に詰める
・詰める順番は、奥から手前に
・十分に冷ましてから詰める
・汁が出る煮豆やなますは竹筒やゆず釜など器に入れる
・葉らん、仕切りで味・香りの移りを防ぐ
・具材の高さを揃える
・厚みがないものは重ねる
・魚やエビの頭は左に向ける
さらに、重箱を細かく分ける“仕切り”を活用すると、より簡単に詰めやすくなります。仕切りにはいろいろな種類があり、仕切り方のバリエーションや相性の良い段を覚えておくとより効果的に使えますよ。
さっそく、それぞれの仕切り方と特徴についてご紹介していきます。
田の字・市松
田の字と市松は、正方形の重箱をさらに小さな正方形に分けて詰める方法で、初心者でも比較的簡単に詰めることができます。品数が少ないときは田の字を使うことが多いのですが、料理の品数が偶数にならないように気をつけましょう。市松は9種類の料理を分けられるので、品数の多い壱の段におすすめです。
詰めるのに慣れてきたら、仕切りを増やすなどして様々なバリエーションを試してみましょう。
段詰め(段取り)
段詰め(段取り)とは、名前の通り重箱を何段かに仕切って詰める方法です。料理の数や詰めやすさによって段数を増やせるのがポイントです。 段の幅を変えて不均等にしたり、真ん中を広く取って見栄えする料理を配置したりと仕切りを増やすだけで印象が変わります。華やかな盛り付けに適しているので弐の重にもおすすめです。
升掛け(手綱)
升掛けは手綱とも呼ばれており、斜めにまっすぐ仕切る方法です。重箱を3つもしくは5つに仕切ることが多く、真ん中を華やかに飾りたいときにおすすめです。三段に分けると中央が広くなるので、参の重にも適しています。
区切る位置を変えれば、一か所の幅を広く取ることも可能です。煮物もたっぷり入れることができ、笹の葉などで仕切れば料理の数を増やすこともできます。
隅切り(七宝詰め)
重箱の四隅を三角形に使う方法です。中央に豪華で見栄えのする伊勢海老や鯛などを飾るのに適しており、四隅は一品ずつ料理を詰めるだけでも華やかに見えるので、初心者向きの詰め方です。
壱の重に使うときは、中央の正方形をさらに細かく分けると良いでしょう。
末広・八方詰め・扇詰め
この他にも、ぜひ試してみたいのが伝統的な縁起担ぎの詰め方です。
「末広」や「八方詰め」は、小鉢などに入れた料理を中央に置き、その他の料理を末広がりに配置します。末広はどの方向から見ても末広がりの「八」の字に見えることから、おめでたいという意味が込められています。
八方詰めは、富士山のような形がお正月にぴったりの詰め方です。
名前の通り縁起物の「扇」を重ねるように詰めていく扇詰めは、参の重の煮物を豪華に見せたいときにおすすめです。
おせちの「あしらい」で盛り付けをグレードアップ
きれいに詰めたおせち料理も、アルミホイルやお弁当のカップなどで分けてしまっては味気なくなってしまいます。
そんなときには、料理の上に乗せたり、下に敷いて使ったりできる「あしらい」がおすすめです。ひと手間加えることで、料亭のお料理のような見栄えのおせち料理へとグレードアップします。
さまざまな種類のあるあしらいのなかでも、おせち料理に使いやすいものを紹介します。
常緑樹で緑を添える「葉らん」「枝笹」「南天」「松葉」「ヒノキ葉」
みずみずしい緑の葉は、使いやすく、様々な形のものがあります。
抗菌効果のある笹の葉や丈夫な葉らんなどは、料理の仕分けや下敷きとしても使えます。縁起の良い意味を持つものも多く、松葉は、細長い形から長寿の象徴とされ、料理の上に乗せる飾りや黒豆に刺すなどして使います。「難を転じる」と言われる南天も縁起物として有名です。
赤のワンポイント「ちょろぎ」「南天の実」「切り唐辛子」
赤は昔から魔除けの色とされ、おせち料理の飾りつけにも使われています。ちょろぎは植物を赤く酢漬けにしたもので、そのままでも食べられますが、黒豆などの飾りに使います。南天の実や切り唐辛子なども、料理のワンポイントにおすすめです。
お料理に少量ふりかけるだけで豪華に「金箔」
少量でも華やかになる金箔は、意外と安く購入することができます。黒豆や伊勢海老など一色の料理と相性が良く、ふりかけるだけで豪華になります。
器として使える「竹筒」「ゆず釜」
アルミカップを竹筒やゆず釜に替えるだけで、おせち料理が映えて一段と華やかになります。竹を切って器にした竹筒は、黒豆やなます、栗きんとん、数の子など汁気のあるものを入れるのにおすすめです。
ゆずの中身をくり抜いて作ったゆず釜は、酢の物の器に向いています。ゆずの香りが料理に移りやすいので入れるものを選びましょう。
飾り切りで「紅白結び」、きゅうりやゆずの「松葉」
飾り切りは、手間がかかるものの、そのまま食べられるうえにおせち料理のワンポイントとしても使えるのでおすすめです。
紅白かまぼこで作る紅白結びは初心者でも作ることができます。きゅうりやゆずなどを松葉の形に似せた飾り切りも包丁で細長く切り、中央に切り込みを入れるだけなので簡単です。
結び三つ葉、きぬさやの「矢羽根」
お吸い物や煮物に飾るなら、塩ゆでした三つ葉を結んだ「結び三つ葉」やきぬさやの端を切り落とした「矢羽根」が良いでしょう。詳しい造り方やアレンジ方法は、こちらの記事をご覧ください。
さいごに
重箱の詰め方には、たくさんのバリエーションがあるので、自分の詰めやすい方法を見つけてみてください。毎年上手く詰められないという方も、詰め方のコツや「あしらい」などを上手に使いながら、お正月らしい華やかで彩り豊かなおせちに挑戦しましょう。
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