アレルギー対策にも!「京料理 泉仙」のヘルシーな精進おせちで、いつもと違うお正月を迎えませんか。
あまり耳慣れない「精進おせち」に、今注目が集まっているという事で、京都市は下京区にレポートにやって来ました。 今回お邪魔しましたのは、明治の初めから精進料理を作り続けている老舗の仕出し屋さんの、泉仙さんです。 その本店は仕出し割烹専門店。 お食事処として3店舗を展開していますので、こちらで精進料理を頂いて以来、その魅力の虜となった方も多いのでは。 このおせちは泉仙さんの技術が詰め込まれた重となっています。
あまり耳慣れない「精進おせち」に、今注目が集まっているという事で、京都市は下京区にレポートにやって来ました。
今回お邪魔しましたのは、明治の初めから精進料理を作り続けている老舗の仕出し屋さんの、泉仙さんです。
その本店は仕出し割烹専門店。
お食事処として3店舗を展開していますので、こちらで精進料理を頂いて以来、その魅力の虜となった方も多いのでは。
このおせちは泉仙さんの技術が詰め込まれた重となっています。
そもそも、精進料理って何?
そもそも精進料理とは仏教の戒律に基づいて、殺生や煩悩への刺激を避けるために調理された料理の事。
お肉を使わず、野菜、果物、海藻などで作られた料理なんです。
正月を厳かな空気の中で迎えるには、ぴったりの、なんだかありがたい料理という気がします。
食べる事が大好きな私からしますと、味もそうなんですが、その料理の手法も楽しみの一つなんです。
例えば大豆を使ってお肉のような食感と味を表現した「お肉もどき」や、有名な所では「がんもどき」など、お肉、お魚を野菜や果実などを使って表現する精進料理には様々な工夫が詰まっています。
見た目から味を想像し、味わってもう一度楽しむ、というちょっと特別感が味わえるお料理なんです。
泉仙さんでは本格的な精進料理を作られていますので、出汁にも、いわゆる生臭(なまぐさ)となる動物性のものは使いません。
ですので、かつお節も使用せず、昆布や椎茸から出汁をとっているんです。
精進料理の世界は本当に奥が深い物ですので、その初体験の品として買われても、非常に値打ちがあると言われる方もいるようです。
アレルギー体質の方が、寂しい思いをせずに食べられるおせち料理。
食物アレルギーを持つご家族の方がいる家庭では、普段から何が含まれているのかに気を付けながら献立を考えるなど、常に食事に対して心配をしながら、気を使いながら、生活されている事と思います。
たとえば、おせちの中でも特に気になるのが、大体どんなおせちにも入っている、海老、タマゴ。
同じ重にずっと入っているというだけでもなにかと不安を感じたり、結局は別の食べ物を用意して、別々に食べる方も非常に多いのだとか。
でも、精進おせちなら、初めから海老も玉子も入っていませんので、少なくとも甲殻類アレルギーの方、卵アレルギーの方は安心だと言えそうです。
全て手作りで、冷凍なしの生おせち。
泉仙さんの精進おせちは生おせちです。
何か月も前に作って冷凍しておくおせちが多い中、生おせちはお値打ちだと思います。
なにより冷凍ものを食べて、一番感じるところは、やっぱり風味が損なわれる事。
正月くらい、良いものを食べたいですよね。
その上、京都の名店の、確かな技術が注がれている本当に良い物が食べられるのなら、それに越したことはないかと思います。
おせちに入っている料理の、ほんの一部をご紹介。
泉仙のお食事処でも食べられる、人気の一品です。
これは大粒の紀州南高梅を甘く炊き上げた、梅の甘露煮。
一風変わったデザートです。
この梅を食べる為だけに京都に通うファンもいるという人気の一品。
精進料理は食材が思いもしない変化を遂げている物も多く、食感や味に驚くという楽しみ方が出来るのも魅力です。
こちらは白和え。
豆腐を裏ごしした物をベースにねりごま、ニンジン、椎茸を和えたものです。
例えばこの一品を作るだけでも丁寧に豆腐を裏ごしし、出汁を取って椎茸に含ませて。 と、時間と手間をかけて下準備がされます。
最後の和える場面を見せて頂きながら、更にお話をお聞きしました。
Q : 精進料理っていうと、普通はお魚やお肉を使う料理を、野菜などで表現したものが思い浮かぶんですが、
「えっ?この料理がこういう材料でできてるの?」っていう楽しみ方もありますよね。
A : そうですね、例えば鰻の蒲焼に見立てた料理は、泉仙のオリジナル湯葉とレンコン、山芋などを混ぜて、焼きのりと一緒に揚げた物を、これもウチの特製タレを塗りながら焼きあげていきます。
Q : レンコンの繊維が、鰻を食べた時に感じる舌触りを表現しているんですね。
こういう細かい表現力が、精進料理の魅力ですし、食べて楽しい所です。
魚系の料理を模したものって、他にもありますか。
A : ヒラメのりゅうひ巻きに見立てた、長芋のりゅうひ巻という物もあります。
通常ですとお魚を芯にして、昆布で巻いて作るんですが、お魚の代わりに椎茸や金時人参などを使って芯として、蒸して裏ごしした長芋と合わせて昆布で巻くという形で表現しています。
Q : それも美味しそうですね。
お魚以外の、お肉を使ったような料理もありますか。
A : 椎茸の肉詰めのような料理だと、椎茸に味付けした豆腐を乗せて揚げた物で表現するなど、昔から受け継がれた精進料理の手法を活かして作られています。
Q : お肉に見立てた料理も、いろんな素材が使われているんですね。
A : 他には麩を使ったものもあります。
六条麩と、利休麩を揚げて味付けしたもので、お肉のような味わいになっています。
特に利休麩の方は柚子を効かせた餡をウチで作って、麩屋さんに持って行き、それを使って特別に作ってもらっている麩ですので、他では食べられない一品になってます。
Q : 同じように麩を素材とした料理でもまた違った味が楽しめるという事ですね。
1つ1つに、食べては驚きがあったり、感想を話したりと、おせちを囲んでの会話も弾みそうですね。
Q : ずいぶん太いゴボウがありますが。
A : これは堀川ゴボウですね。
堀川ゴボウは、滝の川ゴボウを特殊な育て方をして、通常の3倍ほど太くなったゴボウで、京野菜の一つです。
このゴボウを一度湯掻いて、下味を付けて炊き込んだ後、中に豆腐を詰めて炊き上げていくという、この1品だけでも3段階に火を入れるという工程を経て作られます。
Q : 素材自体も手間や工夫を凝らして育てられて物が使われていて、さらに料理法にも伝統の技法が使われている。
そう考えると贅沢な料理ですよね。
A : 年の最初の大切な行事ですので、少しお値段は張るかとは思いますが、納得して頂けるよう技術と心を込めて作られたおせちを食べながら、少し贅沢な気持ちで過ごしていただければと思います。
カロリー制限がある方、またカロリーが気になる方にも。
お肉を使っていないので、低カロリー。
という事で、食事制限が掛かる方などにも喜ばれているのだとか。
最近では、ベジタリアンの方にも注目されているのだそうです。
確かに、出汁にすら動物性の物を使わない精進料理なら、ベジタリアンには打って付けですね。
考えてみると、古くからの日本料理の手法、技術が、アレルギーに悩む方、カロリー制限に悩む方に時代を超えて応えているという事が凄い事だと感じました。
家族全員が笑って、安心して食べられるおせち料理を作りたいのです。
泉仙さんに、料理に懸ける想いについてお聞きしました。
食事に関する心配を持つ方と、そうでない方。
全ての方が気兼ねせずに、
同じものを、「美味しいね」と言いながら楽しんでいただける。
その一つの形が精進料理だと思います。
元々おせち料理は長期保存を考えて作られたものですが、泉仙の精進おせちは塩分などをかなり抑えた物となっています。
食に悩む様々な方の想いに応えると同時に、日本の心、伝統の技術を後世に伝える為のおせち料理を提供したい。
そして、一人でも多くの方にその味を、その技術を感じて欲しい。
出来る事は大きなことではないかもしれませんが、誠実にそれを守り続ける事が、私たちの出来る事だと信じて、真心を込めておつくりしております。
是非一度、当店の精進おせちをご堪能いただきたいと思います。
Q : でも、手作りで、生おせちとなると、そんなに数も作れないのでは。
A : 現在のところ、精進おせちをご注文いただいている方の多くは、お食事処の泉仙で実際に私どもの精進料理を食べて頂いた方になっています。
ですが、今回この記事を読んで、せっかく興味を持っていただいたのであれば、出来るだけそのご要望にお応えしたいと思っております。
とは申しましても、作り置きをしない、手作りという所は外せませんので、どうしても数を確保することは難しいかと思われます。
これにつきましては出来るだけお早目のご予約を願い致します。
みんなで同じものを、笑顔でたべられる
今回お邪魔しました泉仙さんのインタビューで、何度も出てきたキーワードは、「みんなで同じものを、笑顔でたべられる」でした。
本来であれば、精進料理の素晴らしさであったりとか、お店の伝統、老舗のプライド、のような事についてお話があっても不思議ではなかったのですが、そういう話は出てこず、
カロリー、アレルギー、塩分、菜食主義、色んな理由で人と同じものを食べられない方にも、せめてお正月くらいは、みんなで笑顔で同じものを食べて欲しい、というお話がされるという所に、料理に対する思いが感じられました。
「料理は3つの心で創る」
泉仙さんの公式ページには、そのこだわりとして、「料理は3つの心で創る」という言葉が紹介されていました。
「喜心」、命の源となる食べ物を調理できることを喜ぶ心。
「老心」、親が子を慈しむように細やかな愛情をもって調理する心。
「大心」、偽りのない、冷静な判断で調理する心。
作る人の心は、料理に現れる物だというそのポリシーと、食材はたとえ米のとぎ汁でさえ無駄にしないという、精進の心。
そんな気持ちで作られる料理。
それが、正月くらいは良い物を食べて欲しい、という言葉に含まれた、「良い物」なんだな、と感じながらお店を後にしました。
京料理 泉仙
https://gurusuguri.com/shop/kyoto-izusen/
2018年 泉仙精進おせち二段重(4人前)
https://gurusuguri.com/shop/kyoto-izusen/syoujinoseti2-2018/