御祝い・おせちに欠かせない「有頭海老」。そのいわれと実力とは
鯛と並んで縁起の良い食材の代表格である「有頭海老」。おせち料理をはじめ、祝いの食膳には欠かせない存在となっています。また、日本は世界的に見ても海老が大好きな国です。そんな日本のおせち料理で、海老が食べられるようになったのか解説します。
御祝い・おせちに欠かせない 「有頭海老」。そのいわれと実力とは
鯛と並んで縁起の良い食材の代表格である「有頭海老」。おせち料理をはじめ、祝いの食膳には欠かせない存在となっています。また、日本は世界的に見ても海老が大好きな国です。そんな日本のおせち料理で、海老が食べられるようになったのか解説します。
昔から海老が大好きな日本人
日本は世界でも有数の海老消費国です。ひとくちに海老と言っても、知られているだけで約3,000種もの種類があるといわれており、日本国内だけでも約700種類の海老が確認されています。伊勢海老や車海老、甘海老、ブラックタイガーなどメジャーなものから、水揚げされる地域でしか知られていないようなローカルな海老まで、実に様々な種類の海老が食べられているのです。
平安時代に編纂された、「倭名類聚鈔(わみょうるいじゅしょう)」という書物にも、「鰕(えび)」の記載があり、古くから日本人にとってなじみのある食材であったことがうかがえます。
海老を食べると不老長寿になれる!?
海老は、ひげが長く腰が曲がっていることから老人になぞらえて「海老」という漢字が使われています。そのため、 不老長寿の象徴 としてひげが長く伸びるまで、腰が丸く曲がるまで長生きするようにとの願いを込めて、おせち料理に使われるようになりました。
そのほかにも縁起が良いとされる理由は諸説あり、赤い色は魔よけの効果があるという説、脱皮を繰り返して成長する様子は出世や新しく生まれ変わることをイメージさせるという説があります。
また、海老は甲殻類の特徴である甲羅に覆われています。特に伊勢海老のような立派な殻をもつものは、 鎧兜や具足を身に付けた武者を想起させ、力強さや武運長久につながるという説も伝わっています。
美味しいだけじゃなく栄養も満点な海老
海老は、高たんぱくで低脂肪、糖質もゼロという健康的な食材です。アルギニンと呼ばれる物質が多く含まれていて、疲労回復や滋養強壮などの効果が期待できます。血液中の悪玉コレステロールを下げるタウリンや、老化を予防するビタミンEも多く含まれているほか、殻に含まれるキチンは動物性食物繊維で、コレステロール値の低減や、免疫力の向上などに有効です。赤い色のアスタキサンチンは、抗酸化作用が強く、老化防止や、眼精疲労の回復などに効果があり、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も豊富です。
有頭海老は縁起をかつぐ意味で使われるようになった食材ですが、海老には私達の体にとっても良いな栄養素がたっぷり詰まっており、見た目の豪華さや味の良さだけではない、食材としての底力を秘めています。