おせち料理の彩りに欠かせない人参のいわれは?
おせち料理は、そもそも煮しめから始まったという説もあるほど、煮しめは古くから慣れ親しまれてきた料理です。根菜などを中心に、様々な山の幸を一緒に煮込んだ煮しめには、家族が一緒に仲良く暮らすという願いが込められています。その煮しめの彩りに欠かせないのが、人参です。
おせち料理の彩りに欠かせない人参のいわれは?
おせち料理は、そもそも煮しめから始まったという説もあるほど、煮しめは古くから慣れ親しまれてきた料理です。根菜などを中心に、様々な山の幸を一緒に煮込んだ煮しめには、家族が一緒に仲良く暮らすという願いが込められています。その煮しめの彩りに欠かせないのが、人参です。鮮やかなオレンジ色の人参は、茶色の多い煮込み料理に、鮮やかな色味を添えてくれる貴重な食材です。
彩り担当人参は縁起の良い梅に象られることも多く、さらに「ん」がつくから運もつく!
煮しめに使われる人参は、梅花人参やねじり梅と呼ばれる梅の花の形をかたどった飾り切りをする場合が多いです。
何故、梅の花を用いられるかと言うと、それは梅の花が咲く時期やイメージに由来します。
梅の花はまだ肌寒い早春に最初に咲く花で、寒さに耐えて芳しい香りの花を咲かせる梅の様子が、 清廉潔白や節操というイメージにつながる ため、縁起が良いということで飾り切りに用いられることが多いです。また、おめでたい紅白の花を咲かせることや、花が咲いた後に必ず実を付ける事なども、縁起のよさに結びついています。
さらに、 「にんじん」のように「ん」の音を含む食材は、「運」が付くので 縁起がいい食材として親しまれています。
彩りや縁起だけでなく、栄養も豊富な人参
人参には、西洋人参と東洋人参があります。お店で売られているものの多くは西洋人参で、明るいオレンジ色です。東洋人参はもっと赤みが強く、関西でよく食べられている金時人参や、ごぼうのようなひょろ長い形をした長人参などがあげられます。
人参に含まれる代表的な有効成分といえばカロテンです。人参の英名である「carrot」からその名前が付いたほど、人参に豊富に含まれる栄養素です。特に西洋人参に多く含まれるβカロテンには、強い抗酸化作用があり、がん予防や老化防止にも効果が期待できます。さらに、βカロテンは、体内に摂取されるとビタミンAに変わります。ビタミンAは、皮膚や粘膜、髪などの健康を維持するのに有効です。肺やのど、鼻を守ってくれるので、感染症の予防にも役立ち、免疫を活性化する働きも期待できます。東洋人参に含まれるカロテンは、βカロテンではなく、リコピンの場合が多いです。リコピンも、強い抗酸化作用を持つ成分で、効果はβカロテンの2倍ともいわれます。
おせち料理に使われる梅の花の形をした人参は、その色味や形でおせち料理に花を添えるだけでなく、梅の花にちなんだ縁起担ぎの意味も込められているのですね。栄養面でも食べる人を病気から守るとされ、昔から多くの人に愛されてきた食材なんですね。