イカ好き大国日本のおせち料理に「松笠イカ」が用いられるワケ
新年の始まりを祝うおせち料理には、様々な願いを込めた食材が使われています。「松笠いか」もその一つです。松笠いかというのは、松笠(松ぼっくり)に見立てた飾り切りを海の幸のいかに施したものです。
イカ好き大国日本のおせち料理に「松笠イカ」が用いられるワケ
新年の始まりを祝うおせち料理には、様々な願いを込めた食材が使われています。「松笠いか」もその一つです。松笠いかというのは、松笠(松ぼっくり)に見立てた飾り切りを海の幸のいかに施したものです。
縁起の良い木である松の松ぼっくりには幸せが詰まっている!?
松は冬でも葉が枯れない常緑樹で樹齢も長く、竹・梅と共に、昔から縁起の良い木として不老長寿や無病息災、子孫繁栄の象徴 とされてきました。松は「待つ」にも通じ、我慢強く風雪に耐えて緑の葉を茂らせている姿が、生命力の強さや不老長寿のイメージに結びついています。
松笠は、松の毬果(果実)ですが、その鱗片の一枚一枚に、松の種子がついています。松の種子がたくさん集まってできている松笠は、それ自体が子孫繁栄をイメージさせるため縁起がいいのです。松笠の鱗片の開いた隙間に、幸せがたくさん入るため縁起がいいという説もあります。
松笠いかを作るときは包丁を寝かせて削ぐように
松笠いかは、いかの表面に格子状の細かい切れ目を入れて作ります。まず、いかに対して斜めに5㎜ぐらいの間隔で全体に切り込みを入れます。この時、包丁をまっすぐにするのではなく少し寝かせて削ぐようなイメージで、斜めに刃を入れるのがきれいに仕上げるコツです。次に、最初に入れた切り込みに交差するように、同様の間隔で切り込みを入れていきます。切り込みを入れたいかは、加熱すると切り込みの一つ一つがきれいに開き、ちょうど松笠が開いたような形になるのです。
日本人が愛するイカは体にも良い!
松笠に造られるいかは、日本人が大好きな食材です。かつては、世界で水揚げされたいかの半分が、日本人の胃袋に入ると言われました。
いかは、他の魚介と比較しても脂肪が少なく低カロリーなのに高タンパクという、理想的な食材です。コレステロール値が高いというイメージがあるようですが、実際には善玉コレステロール値が高いのであって、血中のコレステロールを抑えるタウリンも豊富に含まれています。子孫繁栄や幸せへの願いが込められた松笠いかは、健康を気にする方も気軽に食することができ、みんなで食事を頂くお祝いの席や、おせち料理にぴったりの食材です。