生命力あふれる「ふき」を食べれば老化予防も!?お正月に「ふき」を食べる本当の理由
ふきの栽培が始まったのは平安時代と言われており、茎も葉も花もまるごと食せることから、当時の人々にとってはなじみ深い食べ物のひとつとして愛されてきました。
生命力あふれる「ふき」を食べれば老化予防も!?お正月に「ふき」を食べる本当の理由
ほろりとした苦みが美味しい「ふき」。
ふきの栽培が始まったのは平安時代と言われており、茎も葉も花もまるごと食せることから、当時の人々にとってはなじみ深い食べ物のひとつとして愛されてきました。
富を意味するふき
ふきは漢字で書くと「富貴」という文字になることから、豊かな生活が送れるようにとの願いをこめて、おせち料理の一つとして入れられるようになりました。
「富貴」とは、お金持ちで身分も高いことを表します。財があり地位も高く幸運に恵まれるという意味を持つ「富貴吉祥(ふうききっしょう)」や花が咲くことで転じて財産や地位を得ることを意味する「花開富貴(かかいふうき)」など、開運と運気上昇を示す縁起の良い四文字熟語も「富貴」という文字で作られています。
ふきの苦味は春の味
また、和食の世界には「春の皿には苦みを盛れ」という言葉があり、ふきの苦みは新しい春を感じられる味としても愛されてきました
長く厳しい冬、積もった雪に埋もれて凍えそうな土の中で、じっと耐え偲びながら春を待ち、ほんの少し土や水の温度がゆるむのを感じると、いち早く芽吹いて蕾をつけます。その蕾が「ふきのとう」です。
寒さに耐える力と、春を素早く捉え土を割って蕾を出す姿に、日本人は生命力の強さを感じ取っていました。
老化予防の効果もある富貴で古い年を脱ぎ捨てよう
現代医学においても、ふきの苦みには「身体機能を活性化させる働きがある」と認められています。ふきには実際にせき止めや消化促進などの効果があり、漢方薬としても古くから使われてきました。
三が日のあいだ食べ続けるおせちの中で、体の調子を整える役割もふきは担っているのです。さらに、ふきはポリフェノールやカロテンが豊富で老化予防にも適しているため、古い年を脱ぎ捨てて新年を迎える瞬間にぴったりの食材とも言えます。寒さの厳しいお正月を無事に乗り越え、春を思ってしばし心和ませる。ふきのほろ苦さには富貴への願いと、生命の強さへの深い意味が込められていたのです。