これを食べれば銭を得る?おせちにぜんまいが入っている理由と由来
おせちに用いられる山菜といえば、ぜんまいが有名です。くるりとした形が印象的なぜんまいですが、どうしておせちに入れられるようになったのでしょうか?
これを食べれば銭を得る? おせちにぜんまいが入っている理由と由来
おせちに用いられる山菜といえば、ぜんまいが有名です。くるりとした形が印象的なぜんまいですが、どうしておせちに入れられるようになったのでしょうか?
ぜんまいの名前の由来は2つの説がある!
ぜんまいの名前の由来は2つの説があります。
1つ目はシダ類の植物である「薇(ゼンマイ)」から名前がついたという説です。同じ植物で同じ名前なのは少し分かりづらいですね。
2つ目はぜんまいの若葉が銭を巻き込むような格好をしており、「銭を巻く」という言葉がなまって「ぜんまい」と呼ばれるようになったという説です。
この二つ目の由来である 「銭を巻く」という言葉は、財を得る縁起物として考えられお正月に食べるおせち料理の一つになりました。
お正月料理として親しまれるぜんまいの旬は春だった
山菜の旬は4月中旬~5月中旬の春です。ビタミンやミネラルなどの栄養が豊富なぜんまいは水気や湿気の多いところを好むため、水路や川など水辺の近くに生える性質を持っています。
美味しくて栄養抜群なぜんまいですが、非常にアクが多いため下ごしらえは大変です。
まずは、芽が出たばかりのぜんまいのの若い葉についた綿毛をとり、重曹を入れた熱湯で茹でます。その後、半日ほど流水にさらしてぜんまいのアク抜きしてから初めて調理ができます。美味しいぜんまいですがアクが強いので半日以上時間をかけてアク抜きする必要があるのです。
また、旬を過ぎても保存食として食べられるように採ってきたぜんまいを天日干しにし、乾燥させると、「干しぜんまい」となります。こうすることで冬場に煮て、戻して食べることが出来るようになります。干しぜんまいは、アクをとって乾燥させたものと取らずにそのまま乾燥させたものがあります。アクを取っていないものは普通のぜんまいと同様、一晩水に晒し絞ってから何度か水にさらしてアクを抜いて調理します。
普段、お正月に私達が食べているぜんまいは、干しぜんまいが多いのかもしれませんね。
体にも良いぜんまいは縁起を担いで切らずに長いまま食べよう!
ぜんまいは縁起を担ぐ意味で切らずに長いまま煮て食べます。 おせち料理に入れられるぜんまいの調理方法としては「ぜんまい煮」が最も一般的です。
お湯で形が崩れない程度に柔らかく茹で上げます。茹で上がったら油で軽く炒め、砂糖、醤油、酒、みりんなどで味をつけて煮込み、味が染みたらぜんまい煮の完成です。
ゆっくりやわらかく煮こむため、長いままでも食べられます。