お父さんへの日ごろの感謝を伝える父の日の、ちょっと泣けるいい話
年と共に父子の関わりが希薄になるのはごく自然なこと。寂しいけれどそれもお互いが元気で活躍している証拠です。 でも、父の日だけは親子の関わりを持ちたいものです。ここでは父の日にまつわるちょっといい話をご紹介します。
年と共に父子の関わりが希薄になるのはごく自然なこと。寂しいけれどそれもお互いが元気で活躍している証拠です。
でも、父の日だけは親子の関わりを持ちたいものです。ここでは父の日にまつわるちょっといい話をご紹介します。
お父さんが大好きな一人娘の話です。
ある年の父の日には、手作りの「肩こり治療券」をプレゼントしました。その治療券は自宅を治療院にみたて、一枚一枚丁寧に診療時間や名前、予約の電話番号などを記入した手の込んだ物です。
しかし、お父さんは治療券を全然使ってくれません。肩もこらず元気なのはうれしいのですが、娘はちょっと不満です。「なんで使ってくれないの?」と聞いてもお父さんは「今度ね。」と言うばかり。
時が流れ、娘はすっかり大人になり、肩こり治療券のことなど忘れてしまいました。お父さんとの関係も以前とは変わり、会話も少なくなりました。
そんなある日、お父さんが小銭だけを持ってタバコを買いに出かけました。すぐ近所のはずなのに1時間たっても帰ってきません。財布も携帯も家に置いてあり、連絡も取れません。娘とお母さんはだんだん心配になってきました。
そこへ家の電話がなりました。なんと、お父さんが事故で病院に運ばれていたのです。
すぐ病院に向かい、お父さんのもとへ行くと、家に連絡をくれた看護師さんがお父さんの小銭入れを持ってきました。
「小銭入れの中にこれが入っていましたよ。おかげで連絡することができました。」
看護師さんが見せてくれたのは小さな紙切れ。娘はその紙を見て思い出しました。それは幼い頃父の日にプレゼントした未使用の「肩こり治療券」だったのです。
何年も前の父の日のプレゼントをお父さんは大切に持っていてくれたのです。娘は自分が作った肩こり治療券が、お父さんの事故を知らせてくれることになるとは思ってもいませんでした。
幸いお父さんは軽い骨折で、命に別状はありませんでした。
本当に心配した大事件でしたが、今となってはいつまでも語られる良い思い出となりました。