おせち料理に「えび」が入っている意味と作り方
代表的なおせち料理の一つである「えび」が入っているのは、煮ると背が丸くなるえびに長寿の意味があるからと言われています。ここでは、えびが入っている意味に加えて、有頭えびのうま煮の下処理の仕方やレシピ、おいしく作るコツについてご紹介していきます。
おせち料理にえびが入っている意味は?
華やかな色合いのえびは、おせち料理には欠かせない食材です。 豪華な見た目はもちろんのこと、えびに込められた意味も新年を迎えるのにふさわしいとされています。
えびは漢字で「海老」と書くように、長いひげや体の曲がった様子が老人に例えられ、長寿の象徴だとされてきました。そのため、新しい1年を健康で過ごし、腰が曲がるまで長生きできますようにという願いを込めて、おせち料理の食材として使われているのです。
頭あり?頭なし?えびの選び方
一般的におせち料理に使うのは頭のある有頭えびですが、頭のない無頭えびでも作ることができます。
ただし、えびの頭には味噌が入っているので、うま煮などにするとえびの出汁が出て、さらに美味しく味わえます。また、頭は焼くと香ばしくなり、丸ごと食べられることから、鬼殻焼きや塩焼きにも有頭えびが使われています。
有頭えびを使うと、重箱などに詰めたときにも見た目が豪華でお正月らしくなるのでおすすめです。
有頭えびのうま煮の作り方
おせちに入れるえび料理といえば、旨味がたっぷり詰まったうま煮(つや煮)もその一つです。車海老などの有頭えびと調味料さえあれば簡単に作れるので、料理初心者の方にもおすすめです。
えびの背ワタを簡単に取るコツも併せて紹介するので、お正月に向けて、作り方を覚えてみましょう。
用意する材料
えびのうま煮4~5人分の材料です。
・有頭えび(車海老、ブラックタイガーなど)…8~10尾
・調味料…しょうゆ大さじ2・みりん大さじ2・酒100cc(1/2カップ)・だし汁200cc(1カップ)
下処理の仕方
生のえびがない場合は、冷凍でも代用できます。その場合は、調理前に必ず冷蔵庫に入れて解凍しておきましょう。
1・えびはひげと頭の先、尾の先がとがっているので、キッチンばさみで切り揃えておきます。
2・背ワタ取るときには、身を曲げて、殻の間から竹串を刺して引き抜くと上手に取ることができます。
3・下処理がすべて終わったら、えびをさっと水洗いして、キッチンペーパーなどで水気を取っておきましょう。
レシピ
1・鍋に調味料をすべて入れ、煮立てます。
2・1が煮立ったら一度弱火にし、えびを「つ」の字の形になるように押さえながら入れていきます。
3・弱中火にして煮ます。小さいえびなら2~3分、大きいえびなら4~5分程度です。
4・火が通ったらえびを耐熱容器やバットに並べて冷まします。残った煮汁は鍋の中でそのまま冷ましておきましょう。
5・4の粗熱が取れたら、密閉できる保存容器にえびと煮汁を一緒に入れて、冷蔵庫で冷やします。1日以上漬けてしっかりと味が染みわたったら完成です。
有頭えびのうま煮をおいしく作るコツ
うま煮をおいしく作るには火加減が重要です。えびの身は火を通しすぎると固くなりやすいので、弱火~弱中火で徐々に火を加えるとプリプリの触感になります。また、えびを鍋に入れてすぐに落とし蓋をすると、より味が染み込みやすくなるのでおすすめです。
生臭さが気になるときには、えびに塩と酒を振り、軽く揉みこんで下処理しておくと良いでしょう。
有頭えびの塩焼きの作り方
うま煮よりももっと簡単にできるのが、えびの塩焼きです。新鮮なえびなら、シンプルな塩焼きもおいしく作ることができます。有頭えびの塩焼きの簡単な作り方を紹介します。
用意する材料
有頭えび(車海老、ブラックタイガー、赤えびなど)…お好みの量
塩…適量
レモン…お好みで
竹串または金串…適量
下処理の仕方
1・冷凍えびを使用する場合は、調理前に冷蔵庫や氷水につけて解凍しておきます。
2・えびの背ワタは、うま煮と同じように、竹串を殻の間から入れて取りましょう。
3・ひげや頭の先端は焼くのでそのままでも大丈夫ですが、気になる場合は切り揃えます。
レシピ
1・下処理したえびに、2~3尾まとめて串を刺していきます。殻と殻の間を通すようにすると刺しやすいです。えびの身を真っすぐに焼きたいときは、尾から頭にかけて串を刺しましょう。
2・魚焼きグリルに並べて、片面2~3分ずつ焼き色がしっかりと付くまで焼きます。
3・両面焼き終わったら、塩を適量振って完成です。お好みでレモンを振って食べてもおいしいです。
有頭えびの塩焼きをおいしく作るコツ
塩焼きは頭まで食べられるように、皮がパリパリになるまでしっかりと焼きましょう。
えびは種類によって火の通り方に違いがあります。車海老は火が通りやすいので片面2分ずつ、ブラックタイガーは片面4分ずつを目安にして焼いてみてください。
さいごに
今までおせちにえびがなぜ入っているのか知らなかったという人も、家族や親しい人の長寿を願いながらえびを食べてみると、また違った味わいになるかもしれません。
えびがお重にあると華やかさを演出することができます。えびを使ったおせち料理はどれも簡単に作れるものばかりですが、初めての手作りで心配な方は茹でるだけでも良いでしょう。ぜひ挑戦してみてください。