出世魚を食べて出世する1年に!鰤をお正月に食べるべき本当の理由
おせち料理の焼きものとして、鰤(ブリ)の照り焼きがよく用いられます。おせち料理には、家内安全・五穀豊穣・商売繁盛などの願いを込めたものが多いですが、鰤にはどのようないわれがあるのでしょうか。
出世魚を食べて出世する1年に!鰤をお正月に食べるべき本当の理由
おせち料理の焼きものとして、鰤(ブリ)の照り焼きがよく用いられます。おせち料理には、家内安全・五穀豊穣・商売繁盛などの願いを込めたものが多いですが、鰤にはどのようないわれがあるのでしょうか。
成長と共に呼び名が変わる出世魚「鰤」
鰤は太平洋の北西部に生息する回遊性の魚です。
寿命は7~8年と言われており、1年で32cm、2年で50cm、3年で65cm、4年で75cm前後に成長し、大きさによって呼び方が変わる「出世魚」として知られています。呼び方は地方によって異なりますが、関東では「ワカシ・ワカナゴ→イナダ→ワラサ→ブリ」、関西では「ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」(もしくは「モジャコ→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」)となります。
「出世魚」鰤をおせちに入れれば出世する?
おせち料理では、「焼きもの」のお重に照り焼きを入れるのが一般的です。鰤がおせち料理に使われるのは、鰤が出世魚であることから立身出世を願う という意味が込められています。また、縁起だけでなく、鰤は冬が旬なので脂がのっておいしいため 、おせち料理に使われる魚として理にかなっています。
鰤はエサとなるアジやサバなどの群れを追いかけ、日本の近海を回遊する魚です。春に九州以南で産卵・孵化し、春から夏にかけて北海道南部まで北上します。そして、秋から冬にかけてまた九州に向けて南下するのです。特に、日本海側を南下し、途中の新潟から富山周辺で漁獲されたものは「寒ぶり」と呼ばれ、特に脂がのってよく肥えて美味のため、料亭や高級おせちなどで重宝されています。
関西では大晦日に食べる「年取り魚」として鰤が食べられていた
西日本では「年取り魚」としても大晦日に食べる「年越しそば」と同じように、昔は大晦日の年越しのご馳走として魚を食べる「年取り魚」という習慣がありました。 その名残で、現在ではお正月に「年取り魚」を食べます。年取り魚は、西日本では鰤が、東日本では鮭が食べられています。境界は糸魚川から静岡を結ぶフォッサマグナあたりというのが通説ですが関東周辺では、鰤か鮭のどちらかを食べることもあるようです。鰤も鮭も塩蔵できる大型の魚であることから、遠路の輸送が可能だったことにより定着したものと考えられています。
鰤をおせち料理だけでなく、お雑煮に入れる地域も?
長野県や近畿・中国・北九州地方などでは、おせち料理だけでなく、お雑煮にも鰤を入れるところが多くあります。照り焼きやブリ大根などをお正月の朝食や夕食として食べることも多く、鰤はおせちだけでなくお正月料理として親しまれている食材です。