関東より北側で愛されるおせち「酢だこ」!タコが縁起物として好まれるワケとは?
真っ赤に茹でられた「酢ダコ」。おせちの中ではどんな意味を持つのでしょうか?
関東より北側で愛されるおせち「酢だこ」!タコが縁起物として好まれるワケとは?
真っ赤に茹でられた「酢ダコ」。おせちの中ではどんな意味を持つのでしょうか?
酢だこがおせちに入れられるのは、その見た目が鮮やかな紅白で縁起が良いという説が有力です。「酢」が入っている理由としては単純に三が日の間、日持ちするようになるためと考えられています。
ただ、 関東より北の地域ではおせち料理に酢ダコを入れますが、関西ではタコ「タコのうま煮」を入れる場合が多いため、地域によっては「おせちの酢ダコ」に馴染みがない場合もあります。
多くの幸せから受験の合格まで?タコに込められたゲン担ぎとは?
調理法が異なるにせよ、タコがおせち料理に使われるには、 タコという名前に「多幸」という当て字が使われることに由来します。また、関西を中心に受験生の間で生まれた新しい語呂合わせ、英語で「オクトパス」と言うところを「置くとパス(合格)」 と書き換え、難なく受験に合格できるという意味にあやかって、おせち料理に入れ始めたという説もあります。他にも関西では「夏至にタコを食べると元気になる」と言われており、「八本の足のように、稲が四方八方へ根を張って豊作になるように」、「タコを食べて体力をつける(夏の暑さに負けない)ように」というさまざまな願いが込められ、おせち料理以外でも親しまれている食材です。
タコが人を助けた?八本の足と墨も縁起の良いモチーフの一つ
昔から川や海など水に近い地域では、タコが善良な行いをしてくれたという伝説が残っており、タコは縁起物として取り上げられることの多いモチーフです。八本もの足で一度獲物に足を絡めたら最後、ぐにゃぐにゃと柔らかい体からは想像できないほどの強さで決して離さない様子から「善いものに吸い付く」という意味に転じ、墨を吐いて敵から逃げる様子は「苦難をけむに巻く」として、縁起物として親しまれてきました。
他にも「行き詰まらないで道を見つけられる」「ゆでた赤い色が魔除けとなる」など様々な云われもあり、おせちに添えるにはぴったりの食材です。 タコは、天高く舞い上がる凧と語呂が同じで縁起が良いとも言われ、蛸唐草も縁起の良い模様として知られています。タコそのものが総じて縁起の良い生き物であり、おせちに入るのもごく自然の流れだったのかもしれません。