意外と知らない!おせち料理を重箱に詰める意味といわれ
おせち料理はなぜ重箱に詰めるのか、理由を考えたことはありますか?お弁当箱にお弁当を詰めるように、単なる入れ物として使用するのとは少し違い、重箱にはきちんとした意味があるのです。
意外と知らない!おせち料理を重箱に詰める意味といわれ
おせち料理はなぜ重箱に詰めるのか、理由を考えたことはありますか?お弁当箱にお弁当を詰めるように、単なる入れ物として使用するのとは少し違い、重箱にはきちんとした意味があるのです。
重箱に詰めれば福が重なる!
お正月は、新年の神様である「年神様」を家に迎え入れ、五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄などの福を授けてもらうための行事です。おせち料理は年神様のお供え料理であり、家族の幸せを祈る縁起物としての位置付けがありました。おせち料理は縁起物なので、 重箱に詰めることにも「福が重なる」「めでたさが重なる」という 願いが込められているのです。
その一方で、重箱には容器としての実用的な面もあります。
1つは保存です。おせち料理にはお正月の三が日に家事を休めるようにという意味もあり、料理を保存しておく容器として、蓋付きの重箱はとても便利でした。いちばん上に蓋をすれば、あとはお重を重ねることで蓋の代わりになり、保存する場所も取らないからです。もう1つの実用的な理由には来客用という意味合いがあります。家族が食べるだけではなく、お年賀の挨拶に来るお客さんにも振る舞うために、お重にきれいに詰めて準備をしておいたのです。
正式なおせちは「四段重」が基本!?おせち料理を重箱に詰める意味とは
現在使用されている重箱は三段重が一般的ですが、正式には四段重が基本です。地方や家庭によっては五段重にするところもあります。その場合は、一段目から四段目までに料理を入れ、五段目は年神様から頂いた福を詰める段として空けておくことが多いようです。
お重は上から、「一の重」、「二の重」、「三の重」、「与の重」と呼びます。「四」は「死」を連想させることからお正月には縁起が悪いという理由で、「四の重」とは言わずに「与の重」と呼びました。
おせち料理は段にはよって詰める料理が決まっている
おせち料理を重箱に詰めるときは、お重ごとに詰める料理が決まっており、それぞれ、五、七、九の奇数の種類を詰めると縁起がよいとされています。奇数は吉数とも呼ばれ縁起が良いためです。
一の重は「祝い肴」で、黒豆、数の子、田作り、紅白かまぼこなどを詰めます。
二の重は「口取り肴」いわゆる「口取り」です。「口取り」とは、「八寸」と呼ばれるもので、会席料理の際に最初に出される料理のことです。おせち料理では、きんとん、伊達巻き、昆布巻きなど甘いものや、紅白なますなど酢の物を詰めます。
三の重は「焼き物」です。海老の塩焼き、ブリの照り焼き、イカの松笠焼きなど海の幸が中心となります。
与(四)の重は「煮物」です。野菜のお煮しめや筑前煮など山の幸を詰めていきます。
これは一例に過ぎず、古くから伝わる重箱の使い方も日々変化おせち料理の内容、お重の段数や詰め方などは地方によってしきたりが違うため、少しずつ異なります。また、近年では家族の好みや流行も取り入れられるようになり、洋風おせちや中華おせちなどおせち料理も多彩に変化してきました。特徴はそれぞれですが、先人の知恵や風習を大切にしておせち料理を楽しみたいですね。