おせち料理の隠れた主役!?縁起が良い食材「ごぼう」の意味と由来とは?
ごぼうは細く長く地中にしっかり根を張るため、縁起の良い食材として古くから様々な料理に使われてきました。「家や家業がその土地にしっかり根付き安定するように」という願いが込められ、お正月のおせち料理にも使われています。
おせち料理の隠れた主役!? 縁起が良い食材「ごぼう」の意味と由来とは?
ごぼうは細く長く地中にしっかり根を張るため、縁起の良い食材として古くから様々な料理に使われてきました。「家や家業がその土地にしっかり根付き安定するように」という願いが込められ、お正月のおせち料理にも使われています。
「たたきごぼう」は祝い肴三種と言われるほど、おせちの定番料理
ごぼうを主役としたおせち料理といえば、「たたきごぼう」が有名です。その色や形が豊作の象徴とされる 黒い瑞鶏(ズイチョウ)に似ているため、豊作を願い食べられてきました。また、軟らかく煮たごぼうを叩き、身を開いて調理することから「開きごぼう」とも呼ばれ、新年の運を開くとされています。
関東ではなじみの薄い料理ですが、関西ではお正月の祝い肴三種とされるほど一般的なおせち料理のひとつです。
「たたきごぼう」だけじゃない! お正月には様々な料理に使われるごぼう
ごぼうには悪い血を取り去る効能があるとも言われ、おせち料理のごぼうには 新しい年の健康を祈る意味も込められています。そのため、ごぼうは主役としてだけでなく、煮しめ(筑前煮)や、八幡巻き(やわたまき)など、さまざまなおせち料理に登場します。
また、お正月限定の和菓子として知られる「花びら餅」にもごぼうが使われています。「花びら餅」は砂糖で煮たごぼうを芯として、白味噌餡とピンク色の餡をお餅で包んだお菓子です。この「花びら餅」は、平安時代、新年に宮中で開かれていた「お歯固め」という、固いものを食べることで長寿を願う儀式から生まれました。最初は猪肉や大根などの固い食材で行われていたお歯固めの儀式ですが、段々と簡略化し、最終的には花びら餅を食べるようになりました。 大人のお歯固めの儀式は今ではあまり行われませんが、赤ちゃんの生後100日記念に行われるお食い初めでは今でもお歯固めの儀は行われています。
さて、「花びら餅」は長らく宮中だけのお菓子でしたが、明治時代より一般的に食べられるようになり様々な和菓子店でも作られるようになりました。今でも京都には花びら餅を作るお店が多く存在します。
縁起も良くおいしくて健康にも嬉しい完璧な食材ごぼう
ごぼうは昔から縁起の良い食材として、健康の願かけなどさまざまな新年の願いが込められ、お正月の料理に使用されてきました。
きんぴらごぼうなど普段から口にする機会の多いごぼうですが、お正月のごぼうに込められた意味を知るとおせち料理で出会う時には特別に感じられそうですね。