日本各地の美味しさを。国産野菜をこだわり素材で仕立てた、ここだけのお漬物
「銀座やまう」は、創業73年の漬物製造販売会社「やまう株式会社」初の旗艦店。2017年オープン以来、漬物の販売をはじめ、併設する「茶房 漬物と甘味」で“ここならでは”の漬物の楽しみ方を提案してきました。ラインナップは、自社製品に全国から選りすぐった各地の漬物を加えた約50品。店長の石島毅さんに老舗漬物店ならではの品ぞろえと、多彩に楽しめるこだわりの味について聞きました。
全国から選りすぐった漬物がそろう「銀座やまう」。ここでしか買えない漬物へのこだわり
母体である「やまう株式会社」は、1946(昭和21)年に漬物の卸として誕生。以来、全国漬物品評会(厚生大臣賞)や漬物グランプリ(2017年・金賞)など、さまざまにその味が評価されてきました。全国に漬物を卸すかたわら、同店のオープンに際しては、全国各地の隠れた名産品に注目したそう。
「『日本中の美味しい漬物をより多くの人に味わってもらいたい』という創業者の想いもあり、自社のものだけでなく、南は九州から北は北海道まで、日本各地にある漬物店さんの協力を得て、商品をそろえました。伝統的な技術と現代のエッセンスを合わせてみよう、と新商品も積極的に開発しています」と石島さん。
▲「銀座やまう」店長の石島毅さん
「日本にはその地でしか手に入らない、そこならではの品がたくさんあるんです。『銀座やまう』では、どこでも買えるような大量生産品は並べていません」
店頭に並ぶ商品は、“幻の味噌”と言われる江戸甘味噌を使った「味噌漬」や長崎の伝統野菜を使ったみずみずしい「長崎唐人菜」など。どれもその土地に長く息づく野菜や素材で、うま味、風味、食感がしっかりと感じられます。
また、商品をそろえるにあたり、70年培ってきた全国の漬物メーカーや販売店とのネットワークを生かしたそう。
「長らくお付き合いのある、土地に根ざした漬物店さんに力を貸していただきました」
「銀座やまう」が目指したのは、隠れた名品や地方でのみ消費されてしまう価値ある漬物、本当に美味しい漬物を多くの人に知って、味わってもらいたいということ。原価を顧みず、国産の野菜に絞り、調味液や調味料も選りすぐったものを使っています。
「漬物は野菜が持つ味わいはもちろん、味付けや漬け方、切り方で個性が出ます。ベースの材料が良くないといけないので野菜はもちろん、醤油や味噌も大事ですね。醤油は、薄口と濃口、たまりを商品によって使い分けています」
▲ 野菜の切り方や素材使いは、長年培われてきた技術の賜物
贈り物にぴったりな洒落たパッケージ。「銀座やまう」の味が生まれるまで
店舗は、東銀座にある「歌舞伎座」の真横。組子細工を取り入れた建物は、日本の伝統美があふれています。1階は物販、2階には甘味と漬物が楽しめる「茶房 漬物と甘味」を併設。
「当初は、漬物の専門店としてオープンする予定でした。しかし、『漬物自体をより広い世代の方に知って、楽しんでもらいたい』と思い、甘味にお茶や漬物を合わせる“漬物屋”ならではの茶房も構えました。ちなみに、商品はすべて1階の店頭で試食していただけます。見た目が地味な漬物は、お口に入れると『あっ!』って表情が変わる方も多い。ぜひいろいろと味わってみてください」
▲ 1階店内。商品はスタッフとの対面カウンターに並べ、試食しながらゆったり選べるように
贈り物にぴったりな、洒落たパッケージも目を引きます。絵柄は、野菜や漬物作りに欠かせない樽、ざるといった漬物屋らしいモチーフ、店舗のある立地にちなんだ歌舞伎座の正面玄関などをデザイン。
▲ オリジナルのパッケージ。販売している商品のほとんどが、約100gという食べきりサイズ
「パッケージで選ばれる、いわゆる“パケ買い”をされる方も多いんですよ。容量は、やはり開封時が一番美味しいですから、一度で食べ切れるようにどの商品もほぼ100グラム。風味はもちろん、食べ口も味わっていただけたら嬉しいです」
看板商品は、「大江戸甘味噌漬 四種の野菜」。もともと単品で販売し人気だった大根、きゅうり、ごぼう、ショウガの甘味噌漬けを合わせる形で「銀座やまう」の開店時に作られました。うま味あふれる野菜にコクのある味噌が馴染んだ一品は、シャキシャキ、ポリポリと、それぞれの野菜の食感が楽しい漬物です。
「日頃からいろんな素材を集めて開発に取り組んでいますが、『大江戸甘味噌漬 四種の野菜』に関しては『江戸甘味噌という、最近では貴重な味噌があるよ』と味噌屋さんから提案をいただいて作った品です。麹を贅沢に使った味噌は、徳川家康の命により、家康公の出身地・三河国(現在の愛知県)のうま味ある八丁味噌と京都の白味噌の甘みを併せ持つ味噌として開発された、と伝えられています」
▲「大江戸甘味噌漬 四種の野菜」たっぷり味噌をつけていただきましょう
そのほか「茗荷たっぷりしば漬」と「大江戸福神漬」も人気の品。豊かな食感の「茗荷たっぷりしば漬」は、風味のよい花茗荷と、シャキッとした食感が特徴の茎茗荷(茗荷の若芽)、きゅうり、なすの4つを赤シソと梅酢で仕立てています。
「『大江戸福神漬』は、素材一つ一つをちゃんと味わってもらおう、という積み重ねで生まれました。国内で収穫した野菜をコク深い二段熟成醤油にじっくりと漬け込んで、大きめにカットしてあるのも特徴です。カレーライスの付け合わせはもちろん、いなり寿司の具材としてもおすすめですが、まずはそのまま、野菜の味と食感を楽しんでください」
香りがよく、お口直しとしてもいい「茗荷たっぷりしば漬」、まろやかな醤油の風味、野菜の美味しいさが引き立つ「大江戸福神漬」。どちらも今まで食べたことのある漬物とはひと味違う、ここならではの工夫がたくさん込められていました。
▲「茗荷たっぷりしば漬」は、そのままでもおいしいほどよい塩加減
新商品も続々。伝統が息づくここだけの味を
伝統を守りながらも、新商品の開発にも力を入れています。
「最近挑戦したのは、岡山の清水白桃を使った『桃のピクルス』ですね。若い桃の実を使用しているのですが、ほのかに桃が香り、とくに女性に人気です」
▲ 旬の野菜で作る浅漬け、甘酢漬け、醤油漬けも見逃せない
時代に寄り添って、新しい漬物作りに励む「銀座やまう」。こだわり抜いた漬物たちは、そのまま味わうのはもちろん、ご飯のお供や料理のアクセントなど、多彩に使えるよう老舗ならではのアイデアが詰まっています。贈り物として、食卓の一品として、手に取ってみてはいかがでしょう。
銀座 やまう
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