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100年前と同じレシピを、100年前と違う素材で。 江戸っ子御用達のえびせん

公開日時:2018/06/12 00:00  更新日時:2018/09/12 10:09

サクッ。ふわっ。いくつでも食べられる軽やかなえびせんは、少なくとも大正時代から、花のお江戸のお土産として愛され続けてきました。現在その味を守っているのは、6代目。100年前から変わらないものと、変えているものを伺います。

築地から五反田へ。 東京でしか買えない「江戸みやげ」。

「“江戸みやげ”という名前で商標登録されたのが大正10年。今思うと、よくそんな一般的な名前で登録できましたよね」と、老舗煎餅店「進世堂」6代目店主、杉江烈(たけし)さんは笑います。元々、「進世堂」は築地でおかきやあられ、海鮮珍味を扱うお店として創業。その後移転し、現在の五反田の地へ。店内には、様々な種類の煎餅、おかき、あられが所狭しと並びます。

▲看板商品「江戸みやげ」。えびせんやあられなど、さまざまな味が詰め合わされている


中でも存在感を放つのが、やはりお店の顔である「江戸みやげ」。入っているのは、淡い桜色のえびせんをメインに、金城巻き(細切り海苔をまぶしたもの)、品川巻き(海苔で全体を巻いたもの)、米粒、ゴマ、醤油、小桜(醤油を桜型に抜いたもの)、茶巾(抹茶入り)、鬼小僧(硬めのあられ)、元禄(塩味の揚げ餅)と、季節によって約8~9種類。

 
えびせんのサクサクッとどこまでも軽やかな食感のポイントは「天日干し」。一度焼いた後に2~3日間天日干しした生地を、細かく裁断して揚げています。揚げ油は、高級天ぷら店で使用する綿実油と太白ごま油を、独自の割合で配合。えびせんが揚がると、すかさず隣の遠心分離機に投入し、余分な油を切って完成です。

▲創業当時より変わらない製法でえびせんを揚げる杉江さん


上品な塩味は原料のエビが持つ塩分のみ。混じり気のない味わいは、気が付けばまたひとつ、またひとつと、手が止まりません。そこに、えびせん以外のバラエティに富んだあられがアクセントを添え、最後まで飽きることなく、ぺろりと平らげてしまうのです。一体、そのおいしさの秘密はどこにあるのでしょう?

上質なアカエビや自社田のもち米。 素材を厳選する理由とは?

えびせんの味の決め手となる素材のエビは、2017年9月から、愛媛県沖で獲れる上質なタカツメエビを使用。現地で新鮮なうちに、一匹ずつ丁寧に殻をむいた生の状態で、お店に届きます。「以前は、三河湾産を使っていましたが、環境の変化によって量の確保が難しくなったため、同様の品質のアカエビを探し求めて、現在の生産者にたどり着きました」と、杉江さん。届いたタカツメエビは、さらに尾と足を外してすり身にし、馬鈴薯粉と混ぜ合わせます。

 
さらに、あられやおかきのベースとなるもち米は、なんと17年前から自社田で栽培。しかも品種は、幻のもち米といわれる「〆張りもち米」です。「大正時代に登場し、味の良さで知られていたものの、栽培が難しいため昭和に入って一度廃れて復刻したもち米なのです。甘みがあり、搗くとなめらかでのびのいいお餅になります。自分で作るなら、それだと思いました」。米どころ新潟の棚田を確保し、植物そのものの力を引き出す「永田農法」の永田照喜治先生の指導を受けながら、「〆張りもち米」の栽培をスタートさせます。

▲米どころの新潟で、永田農法でもち米を作っている

 
「うるち米も、もち米も、永田農法で作ると、根が地中深く伸びて逞しく育ち、食味もいい。農薬を使うのも田おこしの時くらいです。お店の合間を縫って、田んぼに足を運んでいます」。杉江さんのお店で密かな人気の大福を並べるようになったのも、この「〆張りもち米」のおいしさをもっと伝えたい気持ちが高じてのこと。他にも、海苔は佐賀有明産、醤油は和歌山の老舗醤油を使用するなど、素材への情熱がそこかしこに。
そこまで徹底して素材の質を突き詰める理由は「素材に勝る技は無し」。「代々続く製法を変えるつもりはありません。ただし、素材はその時代によって、ベストなものを揃える必要がある。それが、6代目の私の技なのだと思います」。

100年経った今も、この先も 変えずに守っていくものとは?

以前、ある著名デザイナーに、「江戸みやげ」の包装紙などのリニューアルを相談した杉江さん。しかし、「100年続いたデザインを変えることはできない」と、お断りされます。
「その時、ハッとしました。うちのお菓子はすでに完成度の高いレシピなので、自分が手出しする部分がなく、跡を継いでからは、正直、つまらないと思ったこともあります(笑)。でも、根本にあるのは“おいしいものを作りたい”という思い。パッケージデザインを変える必要がないように、100年前から続く製法も変えなくていい。その分、私は素材に目を光らせて、おいしさを守り続けたいと思います」。

 
ただ「変わらない」のではなく、明確な意志の下に「変えない」ものと、「変えていく」ものを両輪にして、伝統を進化させている杉江さん。最後に、「先代がたびたび口にしていた、“おできと煎餅屋は大きくなるとつぶれる”と、“コツコツと当たり前のことをやる”という言葉を大切にしています」と、教えてくれました。味も心意気も江戸っ子らしい粋がキラリと光る「江戸みやげ」は、名実ともに「江戸」を名乗るのにふさわしいお菓子なのです。

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